世界ニーズに踏まえ戦略を 三重県経済の現状と展望 三十三総研・伊藤氏が講演

【政経懇話会で、講演する伊藤専務=津市大門の津センターパレスで】

【津】伊勢新聞政経懇話会11月例会が24日、三重県津市大門の津センターパレスであった。三十三フィナンシャルグループ子会社でシンクタンク「三十三総研」(四日市市)の伊藤公昭専務が「三重県経済の現状と展望」と題して講演し「世界的なニーズの変化を踏まえて戦略を考えないといけない」と訴えた。

伊藤氏は新型コロナウイルス感染症の県内経済の影響について、同社が中小企業の景況感を調査した結果を踏まえ「リーマン・ショック時と同様の落ち込みを記録した。先行きは今回のコロナショックの方が若干良いが、低水準」との認識を示した。

次期米大統領に民主党のバイデン前副大統領が就任する見通しとなったことを受け「バイデン氏は環境分野に力を入れると言っている。EV(電気自動車)へのシフトで内燃機関の需要は減少し、半導体や制御部品に新たな需要が期待される」と述べた。

ガソリン車からEVへの転換が進めば「エンジンの部品など従来の37%が不要になる」と指摘。「県内の自動車部品産業の付加価値額が2013年から30年までに13%減少する。単純計算で従業員の3435人が削減される」との試算を示した。

その上で、県内経済の発展のために「自動車関連産業が変化に迅速に対応できるよう、県内企業の技術開発や販路開拓、人材育成に取り組む必要がある」と主張。蓄電分野などでの技術革新を期待し「県には補助や支援を考えてほしい」と注文を付けた。

伊藤氏は昭和59年、三重銀行入行。平成8年に三十三総研の母体となった三重銀情報サービスに出向し、28年から現職。三重銀行地方創生推進室長のほか、三重大学理事・副学長も務める。