被告の開業医側が無罪主張 女性MRに強制わいせつ致傷 津地裁初公判

経営する整形外科医院で、製薬会社の女性MR(営業担当)にわいせつな行為をし、避けようとした女性が椅子から転落して左目を床に打ち付け、視力低下など全治不能の傷を負ったとして、強制わいせつ致傷の罪に問われた三重県松阪市石津町、まんのう整形外科院長、萬濃裕司被告(53)の裁判員裁判の初公判が20日、津地裁(柴田誠裁判長)であった。萬濃被告は起訴内容を一部否認し、弁護側は無罪を主張した。

起訴状などによると、萬濃被告は平成27年3月24日午後1時5分ごろから20分ごろまでの間、同市松崎浦町、まんのう整形外科の診察室で、丸椅子に座っていた女性MR=当時(30)=の胸を服の上から触り、額にキスをし、女性の顔に自分の股間を押し付けようとしたとされる。

女性は股間を顔に押し付けられそうになった際に避けようとして体をひねり、椅子から転落。左目付近を床に打ち付けたことで左目が十分に開かなくなり、視野が狭くなって視力が落ちたとされる。

冒頭陳述で検察側は「まんのう整形外科は女性にとって重要な取引先だった。そのため、女性はわいせつ行為を受けた際『やめてください』と拒絶の意思を伝えたが、強い口調では拒絶できなかった」と指摘。別の製薬会社の女性MRも萬濃被告にわいせつ行為を受けていたことを紹介した。

弁護側は「額にキスはしたが、胸は触っていないし、股間を顔に押し付けてもいない。わいせつというほどのことをしていないので無罪だ」と主張した。

この事件を巡っては、松阪署が29年11月、津地検に同罪で萬濃被告を書類送検したが、地検は30年7月、不起訴にした。その後、津検察審査会が不起訴不当と議決。地検は再捜査し、昨年12月に起訴した経緯がある。