鈴鹿 伊勢型紙「不断桜」を寄贈 市役所に、伝統工芸士8人が寄せ彫り 三重

【4技法の寄せ彫りで仕上げた伊勢型紙の説明をする小林会長(右)=鈴鹿市役所で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市寺家三丁目の伝統産業会館に事務局を置く伊勢形紙伝統工芸士会(小林満会長、12人)は18日、同市役所の末松則子市長を訪問し、市に伊勢型紙の4技法で8人の伝統工芸士が寄せ彫りした伊勢型紙「不断桜」を寄贈した。

寄贈した型紙は横約40センチ、縦約30センチの大きさ。白子の子安観音寺にある国天然記念物「白子の不断桜」をもとに、会員の田村勝さんが図案化。9枚の桜の葉に錐彫りの「花亀甲」、引き彫りの「縞に竹」など4技法を駆使して、一葉ごとに違う9柄が彫ってある。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、毎年7月に開催する伊勢形紙伝統工芸士会が中止になったことから「今までにない作品を作ろう」と4月に決め、6月から約2カ月掛けて、一人ずつ順番にリレー方式で彫刻した。不断桜は「見る人を守り、困難を乗り越え、願いをかなえる」と言い伝えられており、同感染症の終息への願いも込めたという。

この日は、小林会長(61)と兼子吉生副会長(66)の2人が来庁。完成した型紙を使って、東京染小紋の伝統工芸士石塚幸生さんが染めた黒と紫色の反物2点も持参し、市長に見せた。反物は1反25万円で販売する。

小林会長は「みんなで彫って着物になると達成感がある。1人では絶対にできないこと。一人一人が緊張感を持って仕上げた」と話した。

型紙を見て、反物を手に取った末松市長は「4技法それぞれの特長を生かし合っており素晴らしい」と話した。

問い合わせは伝統産業会館=電話059(386)7511=へ。