
【津】三重県津市半田のセントヨゼフ女子学園で11日、県立美術館(同市大谷町)の学芸員を招いた美術の授業があった。教育普及担当の鈴村麻里子さん(33)と保存修復担当の橋本三奈さん(37)が仕事内容や海外での経験について話し、美術専攻の高1生24人が聴講した。
鈴村さんは「美術館と人とをつなぐ仕事をしたい」と学芸員になった経緯を紹介。米国のメトロポリタン美術館など海外出張の経験を「予想できないアクシデントが起こっても自分で何とかするしかない。ジェスチャーも交え通じるまで粘り強く交渉した」と振り返った。
橋本さんは「修復の前に作品や作家のたどった歴史を調べ状態調査に時間をかける」として20代にドイツの美術館に勤務した際に携わった修復の写真などを見せた。
生徒の「今まで一番難しかった修復は」の質問には「同じ作家でも描かれた状況や素材が違う。簡単な作品はなかった」と答えた。