2020年11月11日(水)

▼米大統領選挙が投票後も世界に〝ビッグショー〟を繰り広げつつバイデン氏の勝利宣言へとコマを進めた。劣勢と言われたトランプ大統領がオバマ前大統領を上回る得票で、米国の今を、実学を、居ながらにして体感できた

▼そのバイデン氏が途方もなく困難であろう「融和」を唱えたのに対し、伊賀市長選挙で3選を果たした岡本栄市長は報道陣の取材に応じ、対立の深まる議会に向けて「次期市議選での対応」と口撃の矢を放った。流儀は〝トランプ型〟ということか

▼「庁舎問題」が市政最大の課題という。解体か保存して利活用かで、二元代表制といわれる市と議会に歩み寄りがない。それどころか、ともに託された権限を最大限に駆使し対決色をエスカレートさせる。市長は本庁舎の新築移転を進め、昨年1月から新庁舎で業務を始め、旧庁舎を市文化財に指定した

▼議会は保存・利活用につながる議案をことごとく否決する。中心街の核である旧庁舎ゾーンが穴の開いた状態で、市民から〝幽霊屋敷〟とうわさされている。どちらも譲る気はないか、譲る気が互いに感じないのでもあろう。市民にとって不幸なことだが、それを承知のチキンレースのようでもある

▼トランプ氏が負けを織り込んで選挙前に策を講じたと言われるのが連邦最高裁判事の任命だ。訴訟の相次ぐ提起で本当らしく思えてくるが、岡本市長はどうか。市長選勝利とともに待ってましたとばかりに口にした市議選介入。合併前の旧市町村の本庁舎、支所廃止方針がもしや、と頭をかすめたのは偽情報合戦を見せつけられたせいかもしれない。