熊野 「童心窯」で窯焚き コロナ影響で1年ぶり 三重

【穴窯から作品を取り出す橋詰さん=熊野市育生町長井の童心窯で】

【熊野】三重県熊野市街地から車で約40分の同市育生町長井にある信楽焼の窯場「童心窯」で8日、窯に火を入れる「窯焚(た)き」を終え、作品を取り出す「窯出し」があった。本来、窯焚きは春と秋の年2回行っているが、新型コロナウイルス感染症の影響で今春の窯焚きを見送ったため1年ぶりとなった。住民ら約20人が作品の完成を喜んだ。

童心窯は、橋詰洋司さん(75)が「信楽焼の魅力を知ってもらい、皆でわいわい作品を作りたい」と、2年かけて長さ4メートル、高さ1・2メートルの穴窯を造り、10年前から地元の人らと作品作りを楽しんでいる。

窯焚きは松の木を燃やし、1週間ほど窯内の温度を1250度に保ち、温度管理をする大変な作業だ。今回は10月29日から今月3日まで住民ら12人が交代しながら24時間態勢で温度管理に当たった。

この日は湯飲みや茶碗、置物など約400個の個性豊かな作品が取り出された。釉薬は使っておらず、土に含まれるガラス成分とマツの灰が溶けて自然釉となり色を出している。

山をモチーフにした高さ44センチ、横65センチの置物を作った杉岡昇さん(78)は「作品が(窯から)出てくる時が楽しみ。焼き具合も良く、大満足しています」と笑顔で語った。

橋詰さんは「1年ぶりに窯焚きができて非常に感激した。これからも体が続く限り作品を作っていきたい」と話した。