伊賀市長に岡本氏3選 旧庁舎利活用の推進協調 三重

【万歳で当選を喜ぶ岡本氏=伊賀市上野東町で】

【伊賀】任期満了(20日)に伴う三重県の伊賀市長選は8日投開票され、無所属の現職で元関西テレビ放送アナウンサーの岡本栄氏(69)=下友生が、元市議で無所属の新人、森川徹氏(43)=阿山ハイツと共産の新人、釜井敏行氏(38)=平野東町を破り、3選を果たした。

当日有権者数は7万2504人(男3万4950人、女3万7554人)。投票者数は3万8303人(男1万7908人、女2万395人)。投票率は前回比4・95ポイント減の52・83%。平成16年の49・22%に次いで合併後2番目に低かった。

6市町村の合併から5度目の市長選。新型コロナウイルス感染症の対策や地域経済の再興に向けた施策、市役所移転後は使われていない旧庁舎の利活用、旧市町村ごとに置かれている支所を廃止する計画の是非などが争点となった。

岡本氏は「こども、くらし、にぎわい」をキャッチフレーズに、2期8年の実績を強調した活動を展開。子育て世代支援策としての小学校給食無償化や市役所の旧庁舎を中心とした市街地の活性化を訴え、連合三重から推薦を受けるなど幅広く支持を得た。

一方、森川氏は自民系の議員から支援を受けての選挙戦。「若さと行動力」を前面に押し出し、市が計画する支所廃止の撤回や工業団地への投資による雇用の創出を掲げたが、得票は伸び悩んだ。釜井氏も支持基盤とする共産以外からの得票に苦戦した。

岡本氏の支持者らが集まった同市上野東町の「うえせん白鳳プラザ」に8日午後10時過ぎ、当選確実の一報が入ると、支持者は歓声を上げて岡本氏と万歳。中川正春衆院議員や竹上真人松阪市長、亀井利克名張市長、櫻井義之亀山市長らも祝福に駆け付けた。

支持者から花束を受け取った岡本氏は「市内をくまなく歩き、伊賀は一つでなければならないと肌で感じた。訴えに理解をいただけたと思っている」と選挙戦を振り返った上で「次の4年間も、しっかりとかじ取りをさせていただきたい」と決意を述べた。

この後、報道陣の取材に応じた岡本氏は、旧庁舎について「今さら逆行は許されない」と述べ、利活用を進める考えをあらためて強調。関連議案に反対する市議会に対しては、次期市議選で特定の候補者を推薦するなど、何らかの対応を検討することを示唆した。

将来的な進退については「この4年間はしっかりやらせていただき、後半には出来具合を持って考えさせてもらう」と説明。「進捗によっては鞭を打ってやらないといけないケースもあるかもしれないが、基本的には4年間で課題を片付けたい」と語った。
◆キャラクターが制した面も◆
現職が次点に20ポイント差で勝つ―。多くの政界関係者が告示前に予想した通りだった。2期8年の実績や掲げた施策が評価されてのことだが、岡本氏のキャラクターが制した面も大きかったのではないか。

民放アナウンサー時代から変わらぬスマートさを持ち合わせ、歯に衣着せぬ物言いと自信に満ちあふれた態度で威厳を示す。合併後初の民間出身者という経歴も、有権者には魅力的に映るのだろう。

ただ、議会の反発はキャラクターでは解決できない問題だ。最たる例が、市役所旧庁舎の関連議案に対する相次ぐ否決。平成30年12月には、岡本氏の政治手法を非難する問責決議も可決された。

いかなる理由があるにせよ、市政を進めるためには議会の理解が必須。はたまた、当選後の取材で報道陣に示唆した「次期市議選の対応」を進めるか。3期目は議会対策の手腕が問われることになる。

当選後の取材に「間違ったことはしていない」と自信たっぷりの表情で語った岡本氏。2期8年でキャラクターに一層の磨きを掛けたようだが、その自信が不安の裏返しでないことを願うばかりだ。