県土整備部 若手職員が「未来へ提言」 インフラに「多様な価値」 三重

【提言に向けて議論する県土整備部の若手職員ら(三重県提供)】

三重県土整備部の若手職員らがこのほど、公共インフラの将来に向けた提言をまとめた。既存の価値観から脱却して公共インフラに「多様な価値を持たせる」と明記。「今後も広い道路空間は必要か」などと、現状への問題提起も盛り込んだ。来年度以降も後進に議論を引き継ぎ、取り組みを「県土整備部の伝統」にしたい考えだ。

国交省からの派遣人事で4月に着任した水野宏治部長が提案したのきっかけ。日頃は個々の専門的な業務が中心になりがちな同部の職員に「広い視野を持ってもらおう」との狙いがあるという。

提言をまとめたのは、県庁で勤務している20代後半から40代前半までの10人。6月から10回にわたって「若手勉強会」を開き、公共インフラの課題やビジョンなどについて意見を出し合ってきた。

提言は「10年先を見据えた県土整備のミッション」と題し、14ページの資料で構成。県内の公共インフラについて「10年後も現在の使われ方が最適か」「今後も広い道路空間や植樹帯は必要か」などと問題提起した。

その上で「社会を支えるインフラ」から「新たな価値を持つインフラ」に転換する必要性を強調。道路をはじめとする公共インフラを、イベントや社会実験などに活用できる「フィールド」として捉えた。

また、ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などの先端技術を積極的に導入し、業務の効率化と高度化を図ると明記。ドローン(無人航空機)や3次元データの活用を建設業界に広げることも提案した。

若手職員らは県幹部や県議らに完成した提言を報告したほか、民間にも紹介して意見を聞き取っている。同部は公共インフラの整備に向けた計画などに提言を反映させることも想定しているという。

都市政策課の福山英樹主査(44)は「既存の価値観にとらわれず、自由な議論ができる貴重な機会だった。後輩には時代の変化を捉えながら、公共インフラに新しい価値を見いだしてもらいたい」と話している。