ANA出向を三重県が受け入れへ 知事が表明

【協定書に署名した鈴木知事(左から2人目)と片野坂社長(同3人目)=津市羽所町で】

三重県と航空大手のANAホールディングスは31日、地方創生の推進を目的に平成27年11月に締結した覚書を更新し、次世代の移動手段として開発が進められている「空飛ぶクルマ」などの実現に向けて協力する項目を新たに盛り込んだ包括連携協定を締結した。県は新型コロナウイルス感染症の影響で経営が悪化している同社社員の出向を受け入れる考えを明らかにした。

11月15日に覚書が有効期限を迎えるため。同社は空飛ぶクルマや遠隔操作ロボット「アバター」など新しい産業分野に参入し、県は新しいビジネスモデルの社会実装に向けた環境整備に取り組んでいるため、更新に当たって新たな項目を盛り込んだ。

協定では、空飛ぶクルマなどの先端技術で社会課題を解決する「ソサエティー5.0」(超スマート社会)の実現に向けて協力する項目を新たに追加。県の観光振興や食の販路拡大などこれまでの覚書に盛り込まれていた項目の内容も引き継いだ。

津市羽所町のホテルグリーンパーク津で締結式があり、鈴木英敬知事と片野坂真哉社長が協定書に署名。鈴木知事は「安全かつスムーズに飛ばすノウハウがANAにはある」と述べ、空飛ぶクルマの実現に向けた飛行ルートの策定で協力を求める考えを示した。

一方、航空需要の落ち込みで経営が悪化する同社が外部企業や自治体への社員出向を打ち出したことを受け、鈴木知事は「コロナ禍で労働力の橋渡しをしてきた県の趣旨と合致するため、チャレンジしたい」と社員出向の受け入れを表明。人数や時期は検討中という。

片野坂社長は知事の受け入れ表明に「社員が他の企業や自治体で仕事をすることで自分自身も磨かれる。場合によってはそこから新しい協力やビジネスの糸口になる可能性があるので、大変期待している」とし、謝辞を述べた。