津 顧客や社員、地域を大切に ジャパンマテリアル 田中社長が講演

【政経懇話会で、講演する田中社長=津市大門で】

伊勢新聞政経懇話会10月例会が30日、三重県津市大門の津センターパレスであった。半導体工場向けのガス供給装置を製造販売するジャパンマテリアル(菰野町)の田中久男社長が「顧客様と共に、社員と共に、地域と共に」と題して講演し、顧客や社員、地域を大切にする経営の重要性を訴えた。

田中氏は「お客さんがもうかっていないと商売は成り立たない。社員がうちの会社で良かったと思っていないと企業なんて長続きしない。地域住民から工場が臭いと言われているような会社だと絶対に長続きしない」と語った。

社員の退職にも「目的を持って辞めるのは大いに応援する」と理解を示した。実例として、救急隊員を志す新入社員を応援し、試験に落ちた後も「だめだ、来年絶対挑戦しろ。3回受けて3回滑ったら諦めてうちで仕事しろ」と伝えたエピソードを紹介した。

また、半導体産業に関わってきた経験から「日本は世界で半導体立国と呼ばれていたが凋落した。その原因は定年制度だ」と主張。「自分を必要としてくれていて給料が良いとして技術屋が韓国に流れた」と技術の海外流出を惜しんだ。

その上で、半導体大手のキオクシアが発表した四日市工場の新工場建設を「輸入だけに頼る時代になったら、日本は国の体を成さない。大賛成」と評価。第5世代(5G)移動通信システムの時代には半導体の技術が欠かせないと訴えた。

田中氏は東京都出身、明治大工卒。昭和45年、水処理国内最大手の栗田工業に入社。平成15年、ジャパンマテリアルの営業統括本部長に就任した。18年から現職。三重テレビ番組審議会委員も務める。