定期監査に質問なし 県委員が全協報告 議員から有り方問う声 三重

【定期監査結果の報告を受ける全員協議会=三重県議会議事堂で】

三重県監査委員は22日の県議会全員協議会で本年度の定期監査結果を報告したが、議員から質問や指摘はなかった。県職員OBが代表監査委員を務めていることを踏まえて「踏み込んだ内容がない監査に質問する気は起こらない」との声が聞かれた一方、議員が監査委員を務めていることから「質問しにくい」という背景もあるようだ。

定期監査は地方自治法に基づき、県の財務や事務が適切に実施されているかをチェックする制度。県に選任された監査委員が年間計画を定めた上で監査し、毎年度この時期に結果を公表している。

本年度の定期監査は前年度の財務や事務の執行などを対象に、1月下旬から9月中旬にかけて実施。監査結果は「監査の意見として掲載したもののほかは、おおむね適正に処理、執行された」とした。

この日の全員協議会では山口和夫代表監査委員が監査結果を報告した後に日沖正信議長が質問を募るも、議員らは「なし」ときっぱり。所要時間は40分程度と想定されたが、20分ほどで終了した。

「執行部の総括と変わりない監査結果だから質問しても仕方がない」「意見を出しても『委員の合議』と返答されるので質問する気が起きない」。全協で質問しなかった議員らも、取材には口々に語った。

元県職員が代表監査委員に就任していることを問題視する議員も。ある議員は「県OBが代表監査委員を務めていては、十分に監査できるはずがない。そもそも監査のあり方を見直すべき」と主張する。

県当局からでさえ、現状の定期監査には疑問の声が上がる。ある県幹部は「定期監査で尋ねられることは決まり切ったことばかり。むしろ政策を後押ししてもらっているようでありがたい」と皮肉った。

質問や指摘がない背景には、監査委員4人のうち2人が議員だという事情もあるようだ。ある議員は「監査結果に指摘をすれば、監査委員を務める同僚議員に文句を付けることになってしまう」と語る。

平成29年の地方自治法改正により、条例を改正すれば議員を選任する必要はなくなったが、議会内で議論は進んでいない。前述の議員は「監査委員を名誉職と捉える議員もいるからでは」と観測した。

一方、ある監査委員は「議員が監査したからこそ監査結果に書き込まれた内容もある」と議員選任の意義を強調しつつ「議員が指摘しても報告書の表現がいささか弱まってしまうこともある」と明かした。