桑名市職員、残業代を不正請求 無断で入力、立場悪用 公文書開示請求で判明 三重

【桑名】三重県桑名市の職員が残業代として約6万4千円を不正受給し、市が公務員の信用失墜行為として書面で訓告していたことが15日、市への公文書開示請求で分かった。訓告は8月5日付。職員は所属課内で時間外勤務時間(残業時間)を給与システムに入力する担当で、立場を悪用したという。市は「懲戒処分ではない」として、職員の年齢、性別、所属課、階級を明らかにしていない。

市人事課によると、職員は3月、自身の残業時間を「20時間」とし、システムに入力。本来、残業時間は「時間外命令簿」と呼ばれる用紙に自分で記入し、所属長に決裁を仰がねばいけないが、この職員はシステム担当の立場を悪用し、所属長の決裁を受けないまま勝手に残業時間を入力した。後日、所属長に時間外命令簿の決裁を求め、不正が発覚したという。

この職員は3月に一切残業をしていなかったが、「昼休憩の時間に電話や来客などの対応をした」として、その時間が昨年度の1年間で計20時間だったと考え「対応時間」を1年分まとめて「残業代」として入力。市は20時間の根拠が不明のため、残業代として認めず、職員は全額返還した。

職員は同課の聞き取りに対し、残業代の根拠を聞かれても「20時間だ」としか答えなかったという。昼休憩中の電話対応などを「残業代」として申請できると思った理由について「誰かから聞いた」と話し、きちんとした説明はなかったという。

市はこの職員が過去にも立場を悪用し、残業代を不正請求していないかを調べるため、記録が残る過去3年分の時間外命令簿と実際の残業代の額に間違いがないかを確認する。また、残業時間を入力する権限が市職員全体で誰に付与されているかを同課が把握できていないため、アクセス権限を行使できる職員数についても確認する。

位田壮平人事課長は「昼休憩中の対応を残業代として請求するなどありえない話。アクセス権限の付与は人事課が人の手で行っているので、必要ないのに付いたままになっている人がいるかもしれない。確認し、整理する」と話した。