鈴鹿市 市有形文化財に光太夫資料 古文書など3件指定 三重

【市有形文化財に指定された漂流船実録(鈴鹿市提供)】

【鈴鹿】三重県の末松則子鈴鹿市長は14日の定例記者会見で、9月29日付で、大黒屋光太夫関係の古文書など資料3件を市有形文化財に指定したと発表した。

新たに指定されたのは、いずれも江戸時代後期の資料で、光太夫の部下でともに漂流した磯吉が帰郷した時に、地元の長老が聞き取った話を38ページ分にまとめた古文書「極珍書」1点、若松地区に伝わった光太夫漂流の顛末を70ページ分にまとめた古文書「漂流船実録」1点、光太夫の部下でともに漂流したが帰国途中の根室で亡くなった小市の遺品として、ロシアから持ち帰ったくしやスプーン、靴など銅貨を含めた16点。

極珍書は磯吉の菩提(ぼだい)寺「心海寺」で所蔵。そのほかは市が所蔵し、大黒屋光太夫記念館にある。

市では「神昌丸漂流事件に関する実物資料として貴重」と判断。市文化財調査会の答申を受けて、9月29日の市教委定例会で承認された。

今回の指定により、市指定文化財は計49件になる。そのうち光太夫関連は5件。

大黒屋光太夫(1751―1828年)は江戸時代に漂流し、日本で初めてロシアを見て帰国した船頭。帰国後はロシアや西洋の体験者として、蘭学者などに大きな影響を与えた。