伊勢市駅前開発 業者への貸付金認める 市、入居に向け協議へ 三重

【保健福祉拠点の入居について説明する鈴木市長=伊勢市議会議場で】

【伊勢】保健福祉拠点の入居を巡り民間開発業者と交渉を続けている三重県の伊勢市駅前B地区再開発事業について、市は13日の市議会産業建設・教育民生連合審査会で、都市開発資金の貸付金制度利用に向けて業者に提示していた担保等の条件を満たす回答があったとして、あらためて制度の利用を認め、入居に向けた協議を進める方針を明らかにした。一方、委員からは条件に不明確な部分があるとして疑問の声が相次いだ。

市によると、貸付金制度利用に向けて担保を貸付金相当額分以上とすることを条件として業者に再回答を求めたところ、今月5日付で回答があった。

回答では貸付希望額を12億円とし、最新の収益価格を基に、担保対象として12階建て複合ビルの保留床部分を約25億2200万円、役員4人分の権利床を約1億8900万円として合計約27億1100万円と算定。金融機関からの借入約15億1100万円と共に、市に同順位一位の抵当権を設定した。

また市の入居条件については、賃料を一坪当たり月額8千円、共益費を賃料の8・85%と設定。一時金や階高変更費用は求めないとした。一方で、8階部分を公共職業安定所(ハローワーク)の入居を巡り交渉中であることを明らかにし、同施設と共用するエレベーターホールなどの維持管理費用を新たに設定。共益費と同額の負担を求めた。

鈴木健一市長は「保健福祉拠点の利用者には就労への課題も多くハローワークの入居により緊密な連携を図れる」として業者の条件を受け入れる方針を示し、交渉継続に理解を求めた。

委員からは、市が当初条件に提示していた「共益費+管理費は賃料の10%以内」との食い違いや、駐車場料金についての条件が示されていないことについて疑問や反対の声が相次いだ。

また事業計画の甘さを指摘する意見もあり、鈴木市長は「振り返ると民間と行政のタイアップについてチェック体制の甘さは一つの課題。厳しい基準に基づく指導や収支計画を組む必要があった。反省材料として考えている」と述べた。