伊賀の漁協に470万円 県支払い、5年間の報償費 総額は不明 三重

三重県が伊賀地域の漁協だけに支払っている工事の立ち会いに伴う報償費が、令和元年度までの5年間で約470万円に上ることが13日、県への取材で分かった。多い年では約150万円を支払っていた。県は「立ち会いは一定の役割を終えた」として年度内に報償費の支払いをやめる方針だが、支払いを始めた時期や過去に支払った総額については「文書が存在しない」などとして明らかにしていない。

県によると、令和元年度までの5年間で報償費が最も多かったのは、平成30年度の151万8千円。最も少なかったのは、28年度の48万2千円。工事に立ち会った組合員の漁協に支払った。

立ち会いは1回当たり半日―1日程度で、報償費は1人当たり4千円台後半。報償費の支払いに関する基準はなく、用地の境界を確定するための立ち会いに関する規定を準用して報償費を算定していた。

県河川課は漁協に立ち会いを要請していた理由について「地域の河川に合った適正な工法などを採用するため、魚類の生息環境に精通した内水面漁協から助言をもらう必要がある」などと説明している。

また、伊賀地域だけで漁協に立ち会いを要請した理由には、旧上野市議会が採択した「環境保全と内水面漁協の共存」を求める請願や、オオサンショウウオ(特別天然記念物)の生息などを挙げている。

報償費の支払いを始めた時期は「関係文書がなく、把握できない」(河川課)というが、支払いは「長年の慣習」(真弓明光県土整備部理事)といい、少なくとも10年以上前から続いていたとみられる。

報償費の支払いは、桑員河川漁協の組合長が協力金の恐喝未遂容疑で逮捕された事件をきっかけに浮上。一部の県議が「なぜ特定の地域だけに報償費を支払う必要があるのか」として廃止を訴えていた。

一方、県は「立ち会いの経験を積み重ねたことで河川環境保全のノウハウは積み上げられた」として、年度内にも立ち会いの要請をやめる方針。これに伴って「報償費の支払いはなくなる」としている。