津・榊原町 かんこ踊り31年ぶり復活 射山神社に奉納、疫病退散願う 三重

【跳ねながらかんこ踊りを舞う踊り手ら=津市榊原町の射山神社で】

【津】三重県津市榊原町第2区のかんこ踊りが11日、同町の射山神社に31年ぶりに奉納された。長く途絶えていた伝統芸能の復活を、地域住民ら約250人が見守った。

同町のかんこ踊りは地域の繁栄や疫病封じを願って江戸時代に始まり、町内の5自治区ごとに伝承される歌に合わせ鳥の羽根を頭に付けて鞨鼓(かっこ)太鼓をたたきながら踊る市の指定無形民俗文化財。

かつては同神社の秋祭りに全地区がそろう「五郷入」を奉納していたが踊り手の減少などで平成元年を最後に途絶え同6年の世界祝祭博覧会(まつり博)会場で披露して以降そろっての奉納はない。

伝統の五郷入を復活させ地域を盛り上げようと平成28年度の地方創生加速化交付金を活用し約1千万円かけて全区に太鼓や装束を新調。令和4年の奉納を目指し3年前から区ごとに奉納を再開しており今年は2区が取り組んだ。

小2―76歳の住民44人が参加。児童がたたく太鼓を地謡と伴奏が囲み、周囲を紙垂(しで)を背負ったかんこ役が軽やかに踊った。疫病退散の歌詞がある「天王踊」など3曲を約1時間かけて披露した。

伝統的に一家の長男のみが行うとされてきたかんこ踊りだが担い手不足で女児や女性も参加可能に。太鼓をたたいた近藤結奈さん(11)は「緊張したけどうまくできた」、横笛伴奏をした前田百合子さん(51)は「参加できてありがたかった。練習を重ね地域が一つになった気がした」と話した。

伊藤博和区長(72)は「コロナ禍だからこそ踊ろうと決意し皆で一丸となった。区民総出で支えてもらった」と語った。