三重県議会常任委 不当要求あれば通報 受注者との契約書に併記へ 三重

【不当要求が発生した場合の体制のあり方について説明を受ける防災県土整備企業常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は12日、総務地域連携、防災県土整備企業、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。県は防災県土整備企業常任委で、桑員河川漁協の組合長が建設業者から協力金を脅し取ったとされる事件を受けた体制のあり方を示した。不当要求を受けた場合は建設事務所や警察に通報するよう求める文言を受注者との契約書に併記する方針。県警や業界団体でつくる「不当要求行為等排除協議会」(仮称)を年内にも立ち上げる。
〈防災県土整備企業=藤根正典委員長(8人)〉 ― 農林水産部の出席求める
県土整備部が内水面漁協の所管しているのは農林水産部と説明したのに対し、委員からは次回の常任委で農林水産部の出席を求める声が上がった。

【不当要求】
県は不当要求を受けた建設業者から連絡があった場合、建設事務所が内水面漁協を所管する農林水産部に報告すると説明した。

山本佐知子副委員長(自民党県議団、1期、桑名市・桑名郡)は「建設事務所から不当要求の連絡があった場合、農林水産部はどう対応するのか」と尋ねた。

佐竹元宏副部長は「農林水産部で対応するので、ここでは詳細を承知していない」と答弁。山本副委員長は「次回は農林水産部からの話をこの場でも聞ければと思う」と要望した。

【協議会】
県は県警や業界団体などでつくる「不当要求行為等排除協議会」を通じて、不当要求に応じない姿勢を示すと説明。委員からは早急な設置を求める声が上がった。

舘直人委員(草莽、5期、三重郡)は「年内と言わず、できるだけ早急に協議会を設置すべき」と主張。佐竹副部長は「警察の捜査が続いている状況。なるべく早期に立ち上げるよう努める」と述べた。

舘委員は「協議会ができれば関係者が議論し、方向性を示すのか」と質問。佐竹副部長は「協議会はどちらかというと不当要求にどう対応するか意識を高めてもらう場」と説明した。
〈医療保健子ども福祉病院=倉本崇弘委員長(9人)〉 ― 医療収益の減少見込む
新型コロナウイルス感染症の影響による受診控えで、本年度の病院事業会計で医業収益の減少を見込む病院事業庁に対し、委員からは新型コロナを減収の理由にしないよう求める声が上がった。

【病院経営】
病院事業庁は令和元年度の病院事業会計の決算審査を報告。患者数の減少により、医業収益は前年度と比べて4950万円減の約27億4720万円となった。本年度もコロナ禍で医業収益の減少が続くと見込んでいる。

今井智広委員(公明党、4期、津市)は「民間企業はものすごく努力している。新型コロナウイルスを理由にせず、積極的に受診してもらえるよう努力すべき」と指摘した。

加藤和浩病院事業庁長は「各病院の強みや特色を生かして患者に頼ってもらえる病院にならなければならない。経営計画に方向性を示しながら目標を置いて取り組む」と述べた。

【児童虐待】
県は児童虐待の一時保護などで人工知能(AI)を活用するシステムを7月から県内6カ所全ての児童相談所に導入した結果、職員が過去の知見を踏まえて対応でき、判断の質が向上したと報告した。

一方、課題としてAIが導くリスクや類似事例は、経験豊富なベテラン職員の感覚と異なる場合があると説明。AIと職員の感覚が異なる原因を分析する。
〈総務地域連携=野村保夫委員長(9人)〉 ― 在宅勤務の環境整備
県当局は最新技術を活用して業務の効率化を図る「スマート改革」の取り組みを報告し、在宅勤務の環境を早急に整えたと説明。委員からは、効果の数値目標を定めて改革を進めるよう求める声が上がった。

【スマート改革】
県当局の説明に対し、中村進一委員(新政みえ、7期、伊勢市選出)は「取り組みから浮かび上がった課題はあるのか」と質問。紀平勉総務部長は「在宅勤務が可能な業務とそうでない業務がはっきりと分れている」と説明した。

また、北川裕之委員(新政みえ、5期、名張市)は在宅勤務の場所について、情報セキュリティーの観点から「喫茶店や図書館といったオープンな場所ではなく、家庭だと認識して良いのか」と尋ねた。紀平部長は自宅での勤務とさせていると説明した。

【目標値】
中嶋年規委員(自民党県議団、5期、志摩市)はスマート改革について「(県の取り組みが)テレビにも取り上げられて知事も喜んでいると思うが、まだ結果は見えない」と指摘。取り組みの目標や効果を数値で示すよう求めた。

担当者は「RPA」と呼ばれる自動化のシステムを導入したケースでは、業務時間の6―7割減につながるとの見通しを示した。紀平部長は「業務全体として一概に目標値を設定することは難しい」としつつ、業務時間の削減を目指す考えを示した。