三重県議会常任委 和解案「可決すべき」 県立高いじめ賠償訴訟

【いじめの対応を巡る訴訟で県が女性と和解する議案を全会一致で「可決すべき」とした教育警察常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は9日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、教育警察の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。学校側が同級生からのいじめに適切に対応しなかったとして、元県立高校生徒の女性が県に慰謝料など約180万円の損害賠償を求めた訴訟で、教育警察常任委は、県が津地裁の勧告を受け入れて女性側と和解する議案を全会一致で「可決すべき」とした。19日の本会議で採決する。

〈戦略企画雇用経済=木津直樹委員長(8人)〉
県当局は志摩市内での開催が予定されている「第9回太平洋・島サミット」に併せて、知事主催の歓迎昼食会や配偶者プログラムといった関連行事の開催を検討していることを明らかにした。

【島サミット】
県は官民でつくる「みえ太平洋・島サミット推進会議」の意見を踏まえて関連行事の開催案を策定し、12月末にも外務省に提出する。伊勢志摩地域のアピールで地元ラグビーチームの協力を得ることも想定している。

一方、三谷哲央委員(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡選出)は「県民の関心が高まっているとは、とても思えない」と指摘。雇用経済部の増田行信次長は「県民には年度内に島サミットをしっかり認知してもらおうと考えている」と説明した。

【三重テラス】
奥野英介委員(草莽、4期、伊勢市)はオープンから7年が経過した県の首都圏営業拠点「三重テラス」について「ある程度の役割が済めば、勇気ある撤退も必要では。部長の率直な意見を聞かせてほしい」と尋ねた。

雇用経済部の島上聖司部長は「7周年イベントに参加して三重を応援する人たちの熱い思いに触れ、私も三重テラスの大ファンになった。勇気ある撤退も一つの考え方だが、関係者の意見を聞いて改善点や効果を検証したい」と述べた。

〈環境生活農林水産=中瀬古初美委員長(8人)〉
県はCSF(豚熱)の感染拡大防止を目的に制限していた感染確認地域での狩猟を、本年度は全県で認める方針を示した。一方、感染が確認されている10市町では食肉としての流通を自粛するよう求める。

【豚熱】
県当局は、平成30年9月から今年10月2日までに2870頭のイノシシを検査し、10市町で捕獲された205頭の陽性を確認したと報告した。

藤田宜三委員(新政みえ、4期、鈴鹿市)は「狩猟で捕まえたイノシシをジビエとして流通させることも可能なのか」と質問。県当局は「感染が確認された地域では流通を自粛するよう依頼し、自家消費に限る」と答弁した。

【給食】
県当局は、平成28年度には30・5%だった県内の学校給食に占める地場産品の割合が、令和元年度は28・0%まで低下したことを明らかにした。食材の少なさや天候不順による価格の高騰などを低下の理由に挙げている。

稲森稔尚委員(草の根運動いが、2期、伊賀市)は県が従来と同様の改善方針を示したことを踏まえて「違う視点や新たな取り組みが必要では」と指摘。前田茂樹農林水産部長は「国の取り組みも参考にしながら実態を分析し、対策を示したい」と述べた。

〈教育警察=濱井初男委員長(8人)〉
いじめを受けた元県立高校生徒の女性が県に損害賠償を求めた訴訟で「一定の対応はした」と説明する県教委に対し、委員から「学校が何をしたかより、受け取る側がどう感じるかが大事」との指摘が上がった。

【和解】
女性が平成27年度と28年度にいじめを受けたことについて、小島智子委員(新政みえ、3期、桑名市・桑名郡)は「27年度と28年度の出来事に関係はないのか。27年度に対応をやりきれず、28年度に起こった可能性はあるのか」と尋ねた。

金児正嗣子ども安全対策監は「28年度にいじめに関わったのは27年度と違う生徒でインターネットの誹謗(ひぼう)中傷だった。関係はないと判断している」と答弁。小島委員は「後からそのときのことを言うのは双方がつらい。被害を受けた生徒はしんどいと思う」と指摘した。

木平芳定教育長は「学校として一定の対応はした。何より生徒が学校に通えない期間があった。今後、こういったことに至らないよう取り組む」と説明。小島委員は「学校が何をしたかより、受け取る側がどう感じるかが大事」とし、再発防止の徹底を求めた。

県が提出した議案は、女性が同級生らから受けた行為について、県がいじめ防止対策推進法が定める「重大事態」として認めて女性に謝罪し、女性側は県への損害賠償請求を放棄すると定めている。