三重県議会一般質問 国体でコロナ対策指針 県「安全安心」アピールへ

三重県議会9月定例月会議は2日、前野和美(自民党県議団、5期、津市選出)、杉本熊野(新政みえ、4期、同)、中森博文(自民党県議団、5期、名張市)、中村進一(新政みえ、7期、伊勢市)の4議員が一般質問した。県当局は、来年の三重とこわか国体で実施する新型コロナウイルス感染症の標準的な対策を記載したガイドラインを作成すると明らかにした。市町の対策にばらつきをなくして「安全で安心な国体」をアピールする狙い。11月中に完成させ、市町などに配布する。中森議員への答弁。
◆マリーナ河芸防災対策は ― 前野 和美議員(自民党県議団)
マリーナ河芸(津市河芸町)周辺の防災対策について方針を尋ねた。県当局は周辺の防潮堤をかさ上げをする必要性があるとの認識を示したほか、背後地への影響を計算して必要な対策を検討すると説明した。

【海岸整備】
前野議員 南海トラフ地震の津波が危惧される中で津市北部の海岸整備は重要な課題。県は平成29年度から千里地区と上野地区で海岸整備に着手しているが、両地区の間にあるマリーナ河芸の背後地は安心と安全を確保できるのか。

水野県土整備部長 マリーナ河芸の海側にある防潮堤も一連の堤防としてかさ上げをする必要性がある。マリーナ河芸の背後地については、隣接する田中川防潮水門と陸側にある堤防の機能などをシミュレーション調査した上で、必要な対策を検討したい。

【踏み間違い】
前野議員 県内の12市町がアクセル踏み間違い防止装置を購入する高齢者に補助を出す事業を実施しているが、残る17市町では国からの2万円しかもらえない。同じ県民なのに補助の金額が異なっている状況は理解が難しい。

岡村環境生活部長 補助制度は国の補助と連動して集中的に取り組んでいくことが重要だと考える。県としては装置の有効性について啓発を進める。より多くの人に補助制度を知ってもらい、一日でも早く装置を設置してもらえるよう市町と協力する。
◆修学旅行費支給前払いを ― 杉本 熊野議員(新政みえ)

コロナ禍で子どもを修学旅行に参加させない家庭があるとして、生活困窮世帯に対する修学旅行費の支給を前払いにするよう要請。県教委は他県の先進例を参考に市町の教育委員会と検討すると説明した。

【少人数学級】
杉本議員 コロナ禍で子どもたちの安全と安心の確保が求められる。国には早急に少人数学級としてもらいたいが、そう簡単にはいかないようだ。「新しい生活様式」に対応するため、県が先駆けて独自に少人数学級を進めるべき。

木平教育長 県では小学1、2年を30人学級、中学1年を35人学級としている。コロナ禍で少人数学級の推進は重要だが、県が独自に少人数学級を実施する場合は県費で教員を確保する必要がある。国に少人数学級を計画的に進めるよう強く要望する。

【修学旅行】
杉本議員 コロナ禍で修学旅行に不参加の子どもたちがいる。背景を探ると「家族が感染すると雇い止めになってしまう」との思いがあるようだ。生活困窮世帯に支給する就学援助費のうち、修学旅行の費用を前倒して支給すべき。

木平教育長 修学旅行の就学援助は交通費や宿泊費などの実費が対象で、前倒し支給は困難。県内でも実施している市町はない。修学旅行を諦めることがないよう、前倒し支給に関する全国の先進的な取り組みを収集し、市町の教育委員会と検討したい。
◆国体運営ばらつく可能性 ― 中森 博文議員(自民党県議団)
中森議員 県立学校の生徒らに対するタブレット端末の配備状況について尋ねた。県教委は9月末までに25校でタブレット端末を配備し、10月末までには全ての県立学校で配備すると説明した。

【国体】
中森議員 いよいよ三重とこわか国体まで1年。残念ながらリハーサル大会は中止や延期を余儀なくされた。競技会を開催する市町や競技団体は不安になっていると聞く。コロナ禍できちんとした対策の指針が必要ではないか。

辻国体・全国障害者スポーツ大会局長 どの競技団体にも実施してもらうことが望ましい標準的な内容を記載したガイドラインの作成に取り組んでいる。素案に対する市町からの意見を参考にして、10月下旬に修正案を示す。11月の完成を目指している。

【GIGAスクール】
中森議員 県教委は児童生徒に1人1台ずつタブレット端末を配備する「GIGAスクール構想」を進めているが、県立学校の無線LAN環境や電子黒板、端末配備に向けた状況や民間人材の活用に向けた取り組みは。

木平教育長 年度内にタブレット端末や無線LAN環境、電子黒板機能付きプロジェクターを整備する。端末は9月末までに25校で配備し、10月末までには全ての県立学校に配備する。IT関連企業の技術者を支援員として県立高校に派遣している。
◆県内観光産業への支援は ― 中村 進一議員(新政みえ)
県内の観光産業が新型コロナウイルス感染症で打撃を受けているとし、支援の状況を尋ねた。県当局は独自の宿泊割引クーポンを発行したことで、6月は対前年比55・2%だった県内の宿泊が8月は77・3%に回復したと明らかにした。

【観光振興】
中村議員 観光は県の主要産業で南部地域活性化の要だが、コロナ禍で大変厳しい状況。観光産業は裾野が広く、影響が大きい。観光産業を守るため、県はどのようなことをしているのか。

河口観光局長 旅行需要の早期回復に向けて県独自の宿泊割引クーポンを7月から8月にかけて計4万1800枚発行し、大変好調となっている。インターネット旅行事業者の調査では、県内の宿泊実績が回復しており、旅行需要の喚起につながっている。

【病院再編】
中村議員 国は「人口減で必要な病床数を減らすべき」として地域医療構想を掲げてきた。コロナ禍で公立・公的病院が果たしている役割は大きく、見直されようとしている。再編・統合の見直しを国に訴えてほしい。

知事 これまでの地域医療構想の議論は感染症対応の視点は含まれておらず、新型コロナウイルスによって感染症に対する医療提供体制の課題が浮き彫りになった。県としては全国知事会と連携して地域の声を国に伝えながら、バランスの取れた体制を構築する。
<記者席>思いの強さに知事動揺?
○…前野議員は、アクセル踏み間違い防止装置の補助制度がある市町と、ない市町で「住民に不公平感がある」と強く批判。「市町との連携」で濁した岡村環境生活部長の答弁に納得いかない様子だった。

○…「政治には公平感が問われる。知事はどうか」と迫ると、鈴木知事は「ええ、まあ、あのー」と珍しく動揺した様子。いつもは穏やかな前野議員だけあって、思いの強さはしっかり伝わったようだ。

○…中森議員は児童生徒にタブレット端末を配る「GIGAスクール構想」と10億の単位を表す「ギガ」を掛けて「コロナ禍の10億円はギガなのかも」と一句。

○…対する中村議員は「子や孫にほんとの戦はさせません」と詠み、平和への思いを表現。分かりやすさという点では、中村議員に一票を投じたい。