
刀剣ワールド財団(名古屋市中区)はこのたび、天下三名槍の一つで、徳川幕府の武将、初代伊勢桑名藩主本多忠勝が愛用していた「蜻蛉切」の写しを制作した。
同槍は、室町時代に村正一派「三河文殊派」の刀工・藤原正真の手により作られた。
トンボが槍先にとまったところ、触れただけで真っ二つに切れてしまったという逸話が名前の由来とされる。
柄を入れると4メートルにもなる大ぶりな槍で、ゆったりとふくらんだ独特のフォルムに、梵字(サンスクリット語を表記するために造られた文字)が美しく彫刻されている。
写しを制作をしたのは現代刀匠・上林恒平氏で、上林氏によると、刀に比べ槍は大きいので、形の調整がより難しかったという。
刀剣ワールド財団は、残りの天下三名槍「日本号」と「御手杵」も現在制作中で、同社の運営する開館に向けて準備が進められている博物館「名古屋刀剣ワールド」(栄タワーヒルズ北館)に3本揃って展示される予定。