三重県議会・議員質疑 電気事業会計の国体転用に批判 減資分の58億円

三重県議会9月定例月会議は24日、濱井初男(新政みえ、3期、多気郡選出)、西場信行(自民党、10期、同)、山本里香(共産党、2期、四日市市)の3議員が質疑に臨んだ。宮川流域の環境保全などに使われる予定だった電気事業会計を減資して三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)の開催経費に充てる県の方針に対し、濱井議員は「到底理解できない」などと批判。県は「国体の成功に向けてどうしても必要」などと理解を求めた。

県は電気事業会計から約58億円を減資して県の一般会計に充当する議案を県議会に提出している。両大会の開催経費は総額で約100億円を超えるとされ、財政難の県は減資分を開催経費に充てる方針。

一方、県や企業庁はRDF(ごみ固形燃料)発電施設の撤去後に同会計を清算して開催経費に充てることも想定していたが、国体までに清算が間に合わないことなどから減資で対応することにしたという。

また、この減資分は三瀬谷ダム(大台町)などで構成する水力発電事業を中部電力に売却した際に得た対価に当たる。県と企業庁は当時、対価の一部を宮川流域の環境保全に充てるとの確認書を同社と交わしていた。

濱井議員は「まだ施設の撤去作業に着手していないのに、撤去の見通しが立ったとは到底理解できない」と批判。「撤去中に土壌汚染が見つかるなど、不測の事態が生じた場合はどうするのか」と尋ねた。

紀平勉総務部長は「撤去や土壌対策の費用は20億円以内と見込まれ、これ以上となる可能性は少ないと聞いている。想定外の費用が生じた場合は、一般会計からの予算措置を検討したい」と説明した。

鈴木英敬知事は「減資は新型コロナの影響で税収減が見込まれる中でも県民サービスの低下を招かず、国体を成功させるためにどうしても必要。今後も宮川流域を振興することには変わらない」と説明した。

また、西場議員は発電によって流量が低下している宮川ダム直下の流量回復に向けた取り組みを加速させるよう要望。「宮川ダム直下の河川に水は無きに等しい。この問題は深刻な政治課題だ」と訴えた。

鈴木知事は「政治家としても大変に重く受け止めている。流量をはじめとし、さまざまな課題があると認識している」と述べ、流量の拡大に向けた部局横断的な検討の場を設けることを明らかにした。

山本議員は、平成30年は446億円だった県内の漁業産出額を10年で574億円に引き上げるとの目標を定めた県の基本計画に関連し、漁業産出額の引き上げに向けた具体的な取り組みを尋ねた。

前田茂樹農林水産部長は「昭和59年当時は4%だった全国シェアを元に目標を設定した。生産性や収益性の向上で成長する余地は十分にある」と説明。養殖業を中心に引き上げを図ると説明した。