熊野のNPO 「のってこらい」が総務大臣賞 運転で高齢者支援 三重

【NPO法人のってこらいの運転手を務めている田室さん=熊野市五郷町で】

【熊野】過疎高齢化が進む三重県熊野市の山間部で、地域住民が運転手となって高齢者の買い物や通院を支援する同市のNPO「のってこらい」が、優れた過疎地域の取り組みを表彰する「過疎地域自立活性化優良事例表彰」(総務省、全国過疎地域自立促進連盟主催)の総務大臣賞を受賞した。「きめ細やかな交通サービスの提供で、住民は住み慣れた地域に安心して暮らし続けることができている」と評価された。11月に東京で表彰式が開かれる。

市街地から車で約30分の場所にある五郷(いさと)、飛鳥両町では、お年寄りの移動手段の確保が課題となっていた。地元住民が主体となり、平成22年に県内初の公共交通空白地有償運送制度を活用した「のってこらい」を立ち上げた。名前は地元で「乗っていきましょう」を意味する。

同年度は延べ利用者数657人で、令和元年度は2566人。ここ数年利用者が増えている。

買い物などで週に1―2回利用する浦中かよ子さん(92)は「子どもは仕事があるから運転を頼めない。何度も連れて行ってもらっており、便利です」と話す。

運転手はボランティアで、田室一二(いちじ)さん(61)が五郷町、中村雅洋さん(68)が飛鳥町を担当している。タクシーの約半分の料金で利用できるように設定し、初乗り2キロ300円で、1キロごとに50円が加算される。自主財源で運行しており、会員1人当たり千円の年会費と乗車賃を車の維持費などに充てている。

2年前から運転手を務めている田室さんは「受賞はうれしい。高齢者の利用が多いので、これからも寄り添っていきたい」と語る。

代表理事の徳田繁さん(69)は「大変光栄に思う。これからも皆さんに喜んでもらえるように頑張りたい」と話している。

今年は同表彰に全国から21団体の応募があり、5団体が総務大臣賞を受賞した。