伊勢市駅前再開発 業者に貸付金許可せず 相当の担保なく 三重

【駅前再開発事業を巡る開発事業者との交渉の経過を報告する鈴木市長=伊勢市議会議場で】

【伊勢】保健福祉拠点の入居を巡り交渉が難航している三重県の伊勢市駅前B地区再開発事業について、市は14日の市議会産業建設・教育民生常任委による連合審査会で、利用条件を満たさなかったとして、開発業者に貸付金制度の利用を許可しないとする文書を通達したことを明らかにした。

事業の長期収支計画の健全運営確保を前提に建設中の複合ビル保留床売却と貸付金制度の利用に向けた計画案の提出を求めたところ、貸付相当の担保が提示されなかったことなどを理由としており、16日の再回答を待って入居の是非を含め判断するとしている。

市によると9月8日付で、開発業者から保留床売却や貸付金制度の利用を前提とした回答があった。回答では貸付金制度について売却金額の半額以内の12億円を求めるとし、担保として1階権利床以外を抵当権の担保設定対象とし、市の抵当権は金融機関に次ぐ第二抵当権が設定されていた。

市は担保が貸付金相当額に満たないとし、貸付金を前提とした収支計画では健全経営が確保されているとは判断できないことを理由に10日付で開発業者宛に貸付金の利用不可を通達したと説明。翌11日には再開発事業の認可権者である県を交えた三者会議を開き、貸付金に対する担保を確保するよう県から開発業者に指導があったことを明らかにした。

委員からは事業進捗の遅れから交渉継続の是非や、具体的な判断時期について回答を求める質問が相次いだ。初めて連合審査会に出席した鈴木健一市長は「現状において入居に向けた気持ちは変わっていない。県の指導もあり、結果を待って判断したい」と話した。