稚貝のストレス対策を 大量死、志摩市で研究報告会 三重

【アコヤガイへい死の調査結果について報告する青木総括研究員=志摩市の阿児アリーナで】

【志摩】英虞湾を中心に真珠の原料となるアコヤガイの稚貝が大量死している問題で、三重県などは9日、志摩市阿児町神明の阿児アリーナで漁業関係者ら約60人を前に研究報告会を開いた。県水産研究所の青木秀夫総括研究員は、「海水温が平年より高く、餌も少ない状態が続いて、衰弱状態にあったことに加えて、にごりや揺れなど複数の要因がストレスとなりへい死に至った」とし、ストレス緩和に向けた対策を求めた。

同研究所によると、大量死が確認された昨年度と同様に本年度も冬季の海水温上昇や餌となるプランクトンの減少といった状況が確認され、貝の栄養蓄積や体力に大きく影響したと説明。特に稚貝は栄養を蓄積する能力が低く、栄養不足から衰弱につながった可能性が高いとした。

加えて実験の結果、海底の泥やヌタと呼ばれる粘着性の泥が混じった「にごり」や、飼育漁場での波の「揺れ」がストレスとなってへい死につながった可能性が高いとし、環境を要因とした「環境複合障害」が引き金になったと解説。高水温を避け、餌の改善や揺れの軽減、湛水処理などストレス緩和に向けた取り組みが重要とした。

除草剤の影響は濃度との関係から「要因とは考えられない」とされた。

県真珠養殖連絡協議会の山際定会長は「具体的な成果が上がっているとは思えない状況だが方向性を探る必要がある」と述べた。