津の5人死傷事故 遺族、1億4000万円賠償請求 津地裁 三重

平成30年12月末、三重県津市の国道23号で、乗用車とタクシーが衝突し、乗客ら4人が死亡、1人が重傷を負った事故で、亡くなった大西朗さん=当時(31)=の遺族5人が乗用車を運転していた同市、末廣雅洋被告(58)=控訴中=と同市のタクシー会社に総額約1億4千万円を求めた損害賠償請求訴訟の第1回口頭弁論が7日、津地裁(鈴木幸男裁判長)であった。被告側はいずれも請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

訴状によると、末廣被告は30年12月29日夜、制限速度時速60キロの国道で、乗用車を146キロで運転し、道路を横断していたタクシーに衝突。タクシーに乗車していた大西さんら5人を死傷させた。

答弁書によると、末廣被告側は事故の過失を認める一方、損害賠償の請求額を巡り争う姿勢を示し、タクシー会社側は「乗用車が法定速度の2倍以上の速度で走行してくることは予見できない」などとし、請求棄却を求めた。

裁判の後、大西朗さんの父・正晃さん(68)と母・まゆみさん(60)が報道陣の取材に応じた。まゆみさんは「146キロで一般国道を走る常軌を逸した身勝手な行為は許せるものではなく、和解はありません。このようにして(末廣被告が)人の命を奪ったことに対する裁判所の見識を求めます」と語った。

末廣被告は自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われ、6月に津地裁であった裁判員裁判で、地裁は危険運転を認めず、より量刑が軽い同法の過失運転致死傷罪を適用。懲
役7年の判決を言い渡した。被告、検察側の双方が判決を不服とし、名古屋高裁に控訴している。