老舗旅館、マスクを製造 伊勢の麻野館 長期保存可能、販売始める 三重

【真空パックした防災備蓄用マスクを手にする麻野専務=伊勢市役所で】

【伊勢】三重県伊勢市二見町茶屋の老舗旅館「麻野館」が、マスクの製造に乗り出している。不織布マスクを自社製造して真空パックにし、防災備蓄用マスクとして販売を始め、全国から注文が入っているという。

新型コロナウイルスの感染拡大でマスクが品薄状態になった2月、同旅館専務の麻野真輔さん(35)は、社会貢献のためにとマスクの生産を思いたった。感染拡大の影響で本業の旅館が休業を余儀なくされる中、従業員の雇用を守るためでもあったという。

製造機器の入手も困難な中、ようやく5月に中国の業者から機械を購入。麻野さん自らが機械を組み立て、同館の施設に設置し、製造を開始した。

その上、旅館で使用していた食品の真空包装の機械を活用し、マスクを真空パックにするアイデアを思いつき、マスクと酸化防止剤などをパックし、長期保存ができる備蓄用マスクを開発した。麻野さんは、マスクを長期保管した場合、湿気によるカビなどで使えなくなってしまうことがあるといい「真空包装すれば、高温多湿な場所で保管されていても、穴さえ開いてなければ清潔な状態で使ってもらえる」と話す。

麻野さんらは26日、自社製品の長期保存マスク3千枚を、防災備蓄に役立てもらおうと伊勢市に寄贈した。市は避難所の備蓄として活用するという。

マスクは、旅館で販売中。電話注文も受け付ける。今後、インターネット販売も検討しているという。