桑名 京アニ事件犠牲者作品「見て」 背景画など30点展示 三重

【「一人でも多くの人に作品を見てほしい」と話す土田さん=桑名市北寺町の「くわなまちの駅」で】

【桑名】昨年7月の京都アニメーション放火殺人事件で犠牲になった渡邊美希子さん=当時35歳=が手掛けた背景画などが、三重県桑名市の寺町通り商店街にある「くわなまちの駅」で公開されている。美希子さんの祖母の妹にあたる同市大山田の土田節子さん(76)が、同社の許可を得て企画し、10月半ばまで展示している。

美希子さんは京アニの美術監督で、同社のプロ養成塾で講師も務めていた。店内の一角にある小さなギャラリースペースには、9月18日から公開される「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の背景画をはじめ、年賀状や中学時代に制作した切り絵などプライベートの作品も含め約30点が並ぶ。

「絵が好きで、おとなしいが芯のある子だった」と、美希子さんの人柄をしのぶ。「悩みながら、描いてください。今は真っ白でも行動があれば、色が付きます。何もしなければ何も生まれません」―。アニメの仕事を目指す人に向けて京アニの公式ツイッターで配信された美希子さんのメッセージの一文で、土田さんの心にも響く。

週2回、展示会場を訪れるという土田さん。全国各地から訪ねてくるファンから、京アニ作品の素晴らしさを改めて教えられたという。

「まだ30代半ばで、これからだったと思うと、本当に残念でならない。これまで彼女が残してきた作品を、一人でも多くの人に見てもらえれば」と話した。