鳥羽 海への祈り、墨絵や版画で 海の博物館で矢田さん作品展 三重

【海への感謝を込め墨でタイなどを描いた作品=鳥羽市浦村町の海の博物館で】

【鳥羽】三重県鳥羽市浦村町の市立海の博物館で、鈴鹿市出身のイラストレーター矢田勝美さんの作品展「船霊(ふなだま)といのり」が開かれている。10月11日まで。

半農半漁の家庭に育った矢田さんは、漁師の仕事や風習が身近だった。漁村に生まれた経験をつづった著書も出版している。

作品展では「海への祈り」をテーマに、墨絵や版画など10点を展示。縦約2メートル、横約3メートルの白い紙に、タイとイワシ、「魚供養」の文字を墨で描いた作品は、海の恵みへの感謝が込められている。漁師が、大漁と海の安全を願って木造船にまつる「船霊」を題材にした版画などもある。船霊は、人形やサイコロ、硬貨などを木造船の一部に隠し入れる風習で、同館が所蔵する船霊の実物資料約20点も展示した。

本展は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け漁が中止になるなど、漁師たちにも影響が出ていることから企画された。同館の石原真伊事務局長は「経験したことのないコロナ禍で、海への祈りを続ける漁師たちの思いを感じてほしい」と話していた。