
三重県の前葉泰幸津市長は13日の新型コロナウイルス感染症対策本部会議で、市内の診療所で勤務していた感染者らの職業を、県が「会社員」と発表していた問題について「相当に戸惑いを覚える」と述べた。
前葉市長は「県の情報開示は個人情報保護の制約下にあるとは理解しているものの、相当に戸惑いを覚える」と述べた。県に対し、市幹部を通じて「いかがなものか」と指摘したことを明らかにした。
嶌田光伸健康医療担当理事は、診療所でのクラスター(感染者集団)発生を受け、市民から問い合わせが相次ぐ見通しを示した上で「不安な市民の気持ちに寄り添って対応してほしい」と職員らに呼び掛けた。
市によると、この診療所では5日に1人目の感染者が判明したが、当時は県から「会社員」との報告を受けていた。5人目の感染者が「医療従事者」と発表されたことをきっかけに問題を把握したという。
前葉市長は会議後の取材に対し、今回の問題について「医療機関ということもあり、公表すべきだったのではないか。診療所側の同意がなかったとしても、他に対応できる方法があったと思う」と述べた。