伊勢で15日花火打ち上げ 地域住民有志ら企画 三重

【花火の打ち上げに向けて思いを語る辻さん=伊勢市の辻傳煙火店前で】

【伊勢】新型コロナウイルスにより中止となった伝統行事の存続と無病息災を祈願して、三重県伊勢市小俣町の住民有志らでつくる「地域の伝統文化を守る会」が15日、同町内で花火の打ち上げを計画している。代表者の男性は「苦しい時代だが伝統文化の本来の意義を伝えたい」と話している。

同町では毎年8月15日、家内安全や厄除け祈願、先祖の供養を祈願して馬の毛で作る「シャグマ」をかぶり、腰蓑と「かんこ」と呼ばれる腰太鼓を身につけた踊り手が踊る「かんこ踊り」を開催。約700年続いてきたとされる伝統行事だったが、今年は新型コロナの影響により中止となった。

これを受け、少しでも地域の伝統行事に思いを寄せてもらおうと地元住民有志らが企画した。当日は午後8時から約5分間、合計75発の花火を打ち上げる予定。混雑による密集を避けるため、詳しい場所は直前まで非公開とし、SNSのツイッターアカウント「@ise_hanabi」を通じて発信する。

当日の花火は、明治16年から操業を続ける辻傳煙火店(伊勢市宇治浦田)が準備する。同社では例年イベントや祭りなど年間5―60件の依頼を受けていたが、新型コロナにより激減。売上は9割近く落ち込み、5千発近くの在庫を抱えることになったという。

6月には日本煙火協会青年部、7月には日本青年会議所の呼びかけで実施した全国一斉花火の企画にも参加した。五代目見習いとして修行を続ける同専務の辻直良さん(42)は「見る人に少しでも明るい気持ちになってもらいたい。来年への不安もあるが、こうした形で関われることには感謝している」と話している。

同会では協賛金と花火への思いをつづったメッセージを募集している。協賛金は花火の大きさに応じて1口5千―3万円。応募は同ツイッターアカウントへ。