新型ウイルス 新たに10人が感染 津の診療所でクラスター 三重

【新たに判明した感染者を発表する三木次長(中央)ら=三重県庁で】

三重県は12日、10―60代の男女10人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。このうち津市の60代女性看護師が勤務する市内の診療所では既に同僚4人が感染しており、県はクラスター(感染者集団)が発生したと認定した。一方、県は診療所や感染者の同意が得られなかったことを理由に、感染者の職業を「会社員」と公表し、勤務先が診療所だったことを明らかにしていなかった。

県によると、新たに判明した感染者は四日市市4人▽桑名市2人▽鈴鹿市3人▽津市1人―で、いずれも11日の検査結果から陽性と判明した。重症者はいない。県内の感染者は延べ262人となった。

津市内の診療所で勤務する60代女性看護師は、5日に感染が判明した30代女性医療事務員の同僚で、濃厚接触者に特定されていた。7日の検査結果は陰性だったが、9日に発熱。再検査で陽性と判明した。

この診療所では7人が勤務し、この2人を含めて5人の女性職員が感染。県内で確認されたクラスターは四日市市内の事業所と三重大医学部に続いて3例目となる。県は診療所の名称を明らかにしていない。

県は診療所で最初の感染者が周囲に感染させる可能性がある期間に勤務していなかった職員も感染したことから「診療所の職員間で二次感染が発生した可能性もある」とし、陰性だった職員2人を再検査する。

121人の患者らが職員らの発症前後に診療所を訪問していたといい、うち3人が検査を受ける見通しだが、県は「患者らに濃厚接触者はいない」としている。この診療所は11日から休診している。

また、県はこの診療所で勤務していた感染者らの職業を「会社員」と公表し、勤務先が医療機関であることを明らかにしていなかった。県はホームページで公表している感染者らの職業を訂正する。

医療保健部の三木惠弘次長は12日の記者会見で、感染者の職業を「会社員」と公表していた理由を「感染者や診療所の同意が得られなかった」と説明。「(会社員という表記には)無理があった」と述べた。

診療所の名称を発表しない理由については「診療所の訪問者は把握している。訪問者に対する感染拡大の観点から考え、診療所の名称を公表して広く呼び掛けるまでには至っていない」などと説明した。

このほか、いずれも四日市市居住の40代会社員男性、10代男子小学生、10代女子大学生の3人は、10日に感染が判明した市教委の40代女性職員と同居する家族で、濃厚接触者に特定されていた。

市によると、この家族で発症の時期が最も早かったのは会社員男性で、先月29日に発熱したという。市保健所は会社員男性から家族内で感染が広がった可能性が高いとみて、感染経路を調べている。

また、これまでに看護師や入院患者ら4人の感染が判明した主体会病院(四日市市城北町)について、市は12日、患者や職員への検査が終了し、既に判明した感染者を除いて全て陰性だったと発表した。