三重学生野球 高校生に負けない熱戦を 春季リーグ代替試合あす開幕

【捕手としてブルペンで後輩投手の球を受ける皇学館大の伊藤=伊勢市内で】

「高校生に負けないプレーを」―。新型コロナウイルスの影響で中止になった夏の全国高校野球選手権大会と地方大会の代わりとして、各都道府県単位の高野連が独自の大会を開催中だが、大学野球でもコロナ禍で中止になった春の公式戦の代替大会開催の動きがある。三重、岐阜、静岡の3県の大学などで構成する東海地区大学野球連盟でも、春季リーグ戦の代わりとして三重県内の大学・高専で構成する三重県学生野球リーグが25、26日の両日、北勢球場でトーナメント戦を開く。春で引退を予定していた4年生たちは特別な思いで代替試合に臨む。

昨年秋、東海地区大学野球連盟の三重県リーグ戦で3季連続5回目の優勝を遂げた皇學館大(伊勢市)野球部では、春季リーグ戦の代替試合に向けて石川拓哉主将ら4人が後輩らとともに練習に励んでいる。部員間では高校野球の代替大会が話題に上ることが多く、石川は「高校生に絶対負けない。真摯ではつらつとしたプレーを見せたい」と刺激を受けている。

津田学園高出身の伊藤翼は春季リーグ戦で引退するつもりで冬場、打撃練習に力を入れてきた。3月、紅白戦で2打席連続安打を記録し、練習の成果を感じていた矢先、春の公式戦がすべて中止になった。一度は落胆したが、代替試合の開催計画があることを知り「そこに向けて頑張ろう」と気持ちを切り替えた。

すぐ就職活動を本格化。3年で志望業界のインターンシップに参加するなど早い時期から活動していたことも奏功し、オンライン面接など経て1社から内定を獲得し、すぐ野球部に戻った。練習に合流した時、森本進監督から「最後まで頑張れ」と激励されたことがうれしかったと語り「1日1日が最後。悔いの残らないよう練習する」と意気込む。

下級生への思いも。富山いずみ高出身の清水凌は「後輩に少しでもプラスになるものを残していければ」と話す。高校で主戦投手として活躍したが、肩の故障で出遅れ大学3年間で公式戦の登板機会はなかった。4年春の公式戦の中止が決まった時、引退も考えたが、主将の石川に「ここまでやってきてここであきらめて良いのか」と言われて考え直した。

公務員志望で試験対策の勉強を行いながら練習を続行。投手陣では唯一の4年生となったが、甲子園を経験した後輩投手らにも進んで助言を求めてフォームの改良に取り組む、「登板機会があればどんな形でもいいので勝利に貢献する投球をしたい。その姿勢を後輩たちに見せることができれば」。

新型コロナウイルスの影響は就職活動にも影を落とす。皇學館大では当初10人ほどの4年生が春のリーグ戦に出場する予定だったが代替試合に出場するのは4年生4人にとどまった。主将の石川は「就職活動を優先したいと引退を決めた子が多い」と話す。

運営側も採用試験とかぶらないよう試合日程を調整するなど4年生に配慮する。関係者のさまざまな思いで結実した大会で結果にもこだわりたい。津田学園高出身で昨年秋3年で4番を打った広翔悟は「県内では連覇が続いている。優勝は譲りたくない」と話し、仲間と頂点を目指す。