海ぶどうを特産品に 尾鷲で陸上養殖の実証実験 三重

【海ぶどうを収穫する前田さん=尾鷲市天満浦の県水産研究所尾鷲水産研究室で】

【尾鷲】尾鷲湾の海水を利用した海藻「海ぶどう」の陸上養殖の実証実験が、三重県尾鷲市天満浦の県水産研究所尾鷲水産研究室で進められている。22日に約5センチ前後に育った海ぶどうを約1キロ収穫。事業化に向けて取り組む尾鷲商工会議所の山本浩之さん(40)は「尾鷲の新たな特産品になれば」と話す。

実証実験は平成30年に廃止された中部電力尾鷲三田火力発電所(同市国市松泉町)の跡地を活用して産業創出を目指す「おわせSEAモデル」事業の一つ。同会議所が主体となり、来年度の事業化を目指している。

海ぶどうは暖かい海を好むため主に沖縄で養殖されている。尾鷲湾の海水は年間を通して14―28度と安定しているため海ぶどうの養殖に適しているとされた。

中電跡地が建設候補だった広域ごみ処理施設や木質バイオマスの廃熱を利用する前提だったが、廃熱を使わずに育てることも検討している。

10年前から海ぶどうの養殖を手掛ける「養殖屋」(志摩市阿児町立神)の前田勉社長(44)の指導を受け、植え付けネットに海ぶどうの母藻を挟み込み、海水を引き込んだ2トン水槽の中に入れて育てている。一回目の種付けは5月20日。6月19日に約1キロを初めて収穫した。

マーケティング調査を担当する百五総合研究所(津市岩田)の担当者によると、県内のホテルとすし屋に収穫した海ぶどうを300グラムずつ提供したところ「見栄えなどは良いが、常温保存のため保管の面で懸念がある」との感想があった。

実証実験は11月まで続き、収穫は月に1回を予定。年間1トンを目指し、生産量を拡大していく。