三重県 虐待対応システムを本格運用 県内全児相で導入 全国発初、AI活用

【定例記者会見に臨む鈴木知事=三重県庁で】

鈴木英敬三重県知事は21日の定例記者会見で、人工知能(AI)を活用した児童虐待対応支援システムの運用を本格的に開始したと発表した。人工知能を児童虐待対応に活用する自治体は全国初という。

県によると、システムの導入は平成24年度に県内で2件の虐待死亡事例が発生したことを受けた対応策の1つ。中勢、南勢志摩の両児童相談所で令和元年度からシステムの実証実験を進めていた。

この実証実験では、虐待の通告を受理してから初期対応を終えるまでの時間が最大で16時間ほど短縮され、職員から好評が寄せられたという。この効果を踏まえ、県はシステムの本格導入を決めた。

県内全ての児相で20日からシステムを運用。通告や聞き取りの内容をタブレットに入力すると、AIが過去の類似事例などを表示する仕組み。ベテラン職員らの知見もシステムに反映させるという。

県は本年度の一般会計当初予算で、システム導入の費用として1億2千万円を計上していた。県は他県の自治体にも効果を周知して導入を促すことで、来年度以降の維持管理コストを削減したい考え。

鈴木知事は児童虐待の対応にAIを導入する意義について「児相には素晴らしい職員もいるが、多くのケースを抱え、人事異動もある。経験が浅い職員もAIの支援でしっかり対応できる」と述べた。