「霊山景観を損ねる」 伊賀の住民団、風力計画中止求める 三重県に要望書

【要望書を手渡す奥澤会長(右)=三重県議会議事堂で】

シーテック(本社・名古屋市)が計画する「ウインドパーク布引北風力発電事業(仮称)」が景観を損ねるとして、三重県伊賀市の住民自治組織が15日、事業の中止を求める要望書を鈴木英敬知事宛てに提出した。

要望書は、旧伊賀町にある柘植、西柘植、壬生野の各地域まちづくり協議会が提出。「地域の霊山から伊勢湾を望む景観が著しく損なわれる。絶対に容認できない」として、県に事業を認めないよう求めた。

協議会の役員らが同日、県議会議事堂で地球温暖化対策課の担当者に要望書を手渡した。西柘植地域まちづくり協議会の奥澤重久会長は「登山でも人気のある場所。建設しないよう伝えてほしい」と訴えた。

また、同席した稲森稔尚県議は「シーテックは伊賀市の大山田地域で説明会を開いたが、旧伊賀町では開いていない。多くの住民は計画を知らなかった」と指摘。同社に旧伊賀町での開催を促すよう求めた。

県の担当者は「風力発電は環境問題の対策に資するが、住民の了解なしには難しい。環境影響評価委員らに意見を伝え、住民の意見を聞く機会も設ける」と返答。同社に協議会の意見を伝える考えも示した。

同社は当初の計画で、伊賀、津、亀山の3市にまたがって40基の風力発電機を設置する予定だったが、先月に公表した準備書では伊賀市と津市の28基に縮小した。令和4年4月の着工を予定している。

同社総務部は取材に「要望書の内容を把握しておらずコメントできないが、景観への影響を少なくする対応に努めている」と説明。説明会は「3市で既に実施しており、新たに開く予定はない」としている。