心配は「学習遅れ」 学校再開後の子ども・教職員ら 鈴鹿大調査 三重

【調査結果について説明する伊東教授(右)と川又学部長=鈴鹿市郡山町の鈴鹿大学で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市郡山町の鈴鹿大学こども教育学部の川又俊則学部長(54)、伊東直人教授(59)ら3人は県内の児童生徒や教員らを対象に、新型コロナウイルス感染拡大のための臨時休校による学校再開後の学校生活に関する心理状態について調査し、結果をまとめた。子どもたちの最大の心配が「学習の遅れ」であるとし、今後の方策として「ICT教育の推進」などを提言した。

調査は6月中旬から下旬にかけて亀山市、鈴鹿市、津市の小学校のべ5校、中学校のべ4校の児童生徒や教員、県内小中学校長、津市内の国公立幼稚園長を対象に、アンケート形式で実施。1311人の回答を得た。

質問項目は「園長」「校長」「教員」「児童生徒」に分けてそれぞれ8―10項目で実施。回答者は最小値ゼロ―最大値10の範囲の数値上に、自分の気持ちの度合いを示して回答した。

児童生徒は全体的に「学習の遅れ」(5・0)への心配の値が高く、具体的には小学生より中学生の値の方が高かった。一方、教員は「子どもたちの健康状態」(7・8)、「ソーシャルディスタンスや3密への対応」(7・0)のほか、「子どもたちへの人間関係、学級の様子」(6・6)への心配の値が高い。

校長の回答から見た地域別状況では、北勢地域で「児童生徒や教職員の健康状態」「自分の健康状態」「教育活動での感染症対策」などへの心配度が他の3地域より高く、緊張度が高い傾向にあることが分かった。

また、特別な感染症対策を実施する市より、通常の対策を実施する市の児童生徒の「感染への心配」の値が高かった。

結果を総括した提言では、学習の遅れに対する子どもたちの不安を取り除き、安心感を与える取り組みとして、オンラインなどICTを活用した家庭学習や遠隔授業の試行など、第2波に備えた準備作業や事前指導といった6項目を挙げているほか、計4つの課題について対策を示した。

アンケート調査は「コロナウイルスの第2波に備えて、学校再開直後の子どもや教職員らの心理状態や意識を把握しておくことは重要」と、元小学校長の伊東教授の発案で実施。

川又学部長は「教員や校長の負担も大きく、地域で子どもたちを守り合っていくことが大切。大学も各校と連携し、協働していきたい」、伊東教授は「結果を広く周知し、今後の対策に活用してもらえれば」とそれぞれ話した。

調査結果は今後、ホームページで公開していく予定。問い合わせは同大学=電話059(372)2121=へ。