深層水で野菜栽培 尾鷲・アクアステーション ミニトマトなど6種 三重

【淡水で薄めた海洋深層水を与えて栽培したミニトマト=尾鷲市古江町のアクアステーションで】

【尾鷲】三重県尾鷲市が運営する同市古江町の海洋深層水取水施設「アクアステーション」は、深層水の利用促進につなげようと、深層水を使ってミニトマトやシシトウ、キュウリなど6種類の野菜の栽培に取り組んでいる。市商工観光課の担当者は「深層水が農業利用できるということを知ってもらいたい」と話している。

同市三木埼沖の太陽光が届かない水深415メートルから長さ12・5キロの取水管で海洋深層水をくみ上げている。水温が年間を通して12―14度と安定しており、ミネラルが豊富に含まれていることが特徴。施設では、塩分濃度が0・7%で、カルシウムとマグネシウムが豊富な「カルマグ水」など5種類の深層水を販売しており、活魚運搬車や日本酒の製造などに利用されている。

施設では、5月20日に2つのプランターにミニトマトの苗を2本ずつ植え、一方は塩分とミネラルをほとんど含まない淡水をやり、もう一方は塩分濃度6%の濃縮水を淡水で薄めて塩分濃度1・2%にした深層水を使って、糖度を比較する試験栽培を開始した。

6月下旬にそれぞれのプランターで栽培したトマトの糖度を計測すると、淡水が5―5・5度、深層水が6―6・5度で、深層水で育てたトマトの方が、糖度が一度甘かったという。

また、カルマグ水を使って育てたナスやキュウリを、ボランティア団体「アクアサポート古江」の会員に試食してもらったところ「味が濃くておいしい」と好評だったという。

施設ではこのほか、深層水を使った塩や、その塩を利用した梅干し作りにも取り組んでおり、担当者は「多くの市民に深層水を知ってもらい、利用してもらいたい」と呼び掛けている。