
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で中止になった県高校総体の代替大会「県高校体育大会」が4日、始まった。特に最終学年の生徒の部活動成果の発表の場になることを目的に県教委と県高体連が共催。全部で27種目あり、冬季スポーツのスキー以外の26種目の競技会が11月まで分散して行われる。
各種目とも原則無観客。選手、役員らには氏名や連絡先、体温、風邪の症状の有無などを記す「体調管理チェックシート」の提出を求める。場内では消毒を徹底し、試合中を除いてマスクの着用を義務づける。
津東高校でこの日始まったフェンシングでは、選手と電気審判機とつなぐ金具を試合ごとに消毒したり、審判にマスクの上のフェースガード着用を義務づけるなど、県高体連フェンシング専門部独自の感染症対策を取った上で男女個人戦計6種目が行われ、延べ60人が参加した。
このうちフルーレ男子決勝は海星の3年生同士の対決になり、小﨑一磨選手が木場悠斗選手を1ポイント差で退けた。5歳から鳥羽フェンシングクラブで一緒に腕を磨いてきた幼なじみの白熱した試合をチームメートらが息をのんで見守った。
全国高校総体(インターハイ)の中止、国民体育大会の年内開催断念で、3年生にとっては練習の成果を発揮する集大成の場。試合後、木場選手と握手代わりに互いの剣先をタッチし、健闘をたたえた小﨑選手は「インターハイがなくなったことは悔しいが高校最後の県大会で優勝できてうれしい。進学してフェンシングを続けたい」。
高校で競技を終えるという木場選手も「最後の試合を楽しもうと思って戦った。全力を出し切れて良かった」と笑顔で話した。
フェンシングは2日間の日程で5日は団体戦を予定している。県高体連フェンシング専門部委員長の松本優・鳥羽高教諭は「全国大会にはつながらないが特に3年生にとって区切りになる大会になれば。いろいろな人に支えてもらって活動ができるということも感じてほしい」と話していた。