三重県 250万個の稚貝へい死 昨年調査上回る 真珠養殖業者アンケート

【アコヤガイの生育調査(三重県提供)】

三重県は1日、県内で相次ぐアコヤガイのへい死を受けて真珠養殖業者を対象に実施したアンケート調査の結果を発表した。約250万個の稚貝がへい死し、大量死した昨年の調査時を上回った。へい死率が前年に比べて低いことから、県は「大量死」とは判断していないが、高水温などが原因とみて対策を検討する。

県によると、調査は大量死を受けて実施した昨年8月に続いて2回目。6月17―23日にかけて、県内の漁協を通じて269の養殖業者に回答を依頼し、42%に当たる114者から回答を得た。

調査結果によると、この1年以内に生まれた稚貝690万8千個のうち、36%に当たる250万8千個が6月に入ってからへい死。英虞湾での平均へい死率は37%で、他の地区よりも6ポイント高かった。

養殖業者が昨年の大量死を受けて稚貝の投入を増やしたため、平均へい死率は昨年の半数程度にまで低下した。一方、平年の平均へい死率は15%程度といい、今年も依然として高い割合で推移している。

また、2年後に核を入れる「2年貝」は5%に当たる10万7千個、核入れの時期を迎えている「3年貝」は11%の27万7千個が死んだ。外套膜萎縮症の発症率は3%で昨年の1割程度まで低下した。

えさのプランクトンが少なかったことや高水温が、へい死の原因とみられる。英虞湾では6月上半期の平均水温が平年に比べて2度ほど高い23・5度で、記録が残る平成19年以降で最も高かった。

アンケートの回答率が4割程度にとどまったため、実際の被害は調査結果よりも大きい可能性もある。水産研究所の担当者は「今年は大量死とまでは言えないが、稚貝の生育には厳しい環境だ」と話す。

県は専門家らでつくる真珠養殖対策会議と対応を協議するなどし、環境変化に適した養殖の方法を養殖業者に周知する方針。平年は生まれてから約2カ月間という水槽で飼育する期間の延長も検討する。

鈴木英敬知事は1日のぶら下がり会見で「予断を許さない切迫した状況。これ以上へい死を拡大させないよう、さまざまな対策をスピード感を持って進め、世界に誇る三重の真珠を守りたい」と述べた。