学び直しに「夜間中学」 来月中にも検討委 三重県議会常任委

【夜間中学について説明を受ける教育警察常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は19日、総務地域連携、防災県土整備企業、教育警察の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。この中で、県教委は十分な中学教育を受けられなかった人や外国人が学び直す「夜間中学」を開設する必要性を判断するため、有識者らでつくる検討委員会を7月中にも設置すると明らかにした。前年度に実施した需要調査の結果を踏まえて議論し、年度内に結論を出す方針。
〈教育警察=濱井初男委員長(8人)〉
県教委は夜間中学の需要を把握するため、十分に中学教育を受けられなかった人や外国人を対象に実施した調査結果を報告。回答者の8割が夜間中学に「通ってみたい」と回答したと明らかにした。

【夜間中学】
調査は昨年12月―今年2月に16歳以上で中学を卒業していない人や外国人を対象に実施し、65人が回答。うち52人が夜間中学への入学に関心を示した。調査結果を踏まえて検討委員会を年度内に3―4回開き、設置の必要性を検討する。

稲垣昭義委員(新政みえ、5期、四日市市)は「(夜間中学ではなく)日本語教室や識字教室などをバージョンアップさせる形で開いている事例はあるのか」と質問。県教委事務局は「岡山県や和歌山県では県が主導で学び直し教室を開催している。既存の日本語教室を補助する県もある」と説明した。

【全日制】
県教委は来年3月に県内の中学校を卒業する予定の生徒は、前年比708人減の1万5781人を見込んでいると明らかにした。昭和30年以降で過去最少となる見通し。

中学校卒業予定者の大幅な減少を踏まえ、令和3年度県立学校全日制の募集定員を640人減の1万760人とした。定時制と通信制の募集定員は前年度と同じ。県教委定例会で各学校の募集定員を決め、来月上旬に公表する予定。

 

〈総務地域連携=野村保夫委員長(9人)〉
委員から「選手らを雇用する企業は来年の三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)の延期を心配している」と指摘の声があり、県当局は企業訪問などを通じて理解を得ていくと説明した。

【国体】
野口正委員(自民党県議団、2期、松阪市)は、両大会に関連して「選手を雇用している県内の企業は、新型コロナの影響で両大会が延期されることを心配している」などと指摘し、企業や選手らへの対応を尋ねた。

県当局は、選手を雇用する企業を訪問するなどして現状の報告や聞き取りを行っていると説明。選手を雇用している企業からは「万が一、両大会が延期されるようなことがあっても、選手らをサポートしていく」との声を受けていると紹介した。

【イベント中止】
県当局は、三重とこわか国体・とこわか大会の広報行事が新型コロナウイルスによって中止などの影響を受けていると報告。「活動に制限はあるが、SNS(会員制交流サイト)や広告を活用するなどして県民の参加意識を醸成する」と説明した。

県によると、国体の500日前イベントや企業と連携したPR活動は中止。「とこわかダンス」を指導するキャラバンや情報支援ボランティアの養成講座の開始が遅れた。12月に予定している300日前イベントについても「実施が見通せない」としている。

 

〈防災県土整備企業=藤根正典委員長(8人)〉
県教委は体育館など屋内運動場に設置されていたつり天井の落下防止対策工事が全ての県立学校で完了したと報告。平成23年の東日本大震災発生時に被災地の学校施設でつり天井が落下する被害が発生したことなどを受けて、対策工事を進めていた。

【落下防止】
県教委は平成26年度以降、つり天井を撤去するなど落下防止対策工事を実施。県立学校の屋内運動場で、対策が必要な71校132棟の工事が令和元年度までに完了した。

杉本熊野委員(新政みえ、4期、津市)は「これまではつり天井(の対策工事)に重きを置いていたが、学校施設を避難所にするときに今後はどのような課題があるか」と質問。県教委事務局は「トイレは和式が多い。いろいろな人に対応できるような学校設備にしなければならない」との認識を示した。

【防災意識】
県は県民を対象に実施した防災意識調査で、過去1年間に防災活動に参加した県民の割合が平成28―令和元年度まで50・0%以下にとどまり、元年度の目標に掲げていた60%を達成できなかったと報告した。

舘直人委員(草莽、5期、三重郡)は「訓練に参加する意識を持つことが大事。各部が県民に理解してもらう努力が必要」と指摘。日沖正人防災対策部長は「今後の施策では、避難と訓練への参加をポイントにして取り組む」と述べた。