三重県議会常任委 稚貝育成の養殖場探索 英虞湾のアコヤガイへい死

【へい死が相次ぐアコヤガイの対策について報告を受ける環境生活農林水産常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は18日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。英虞湾でアコヤガイの稚貝が相次いでへい死した問題を受け、県は稚貝の生育に適した養殖場の探索を1日から始めたことを明らかにした。これまでに養殖をしていなかった尾鷲湾で実際に稚貝を飼育し、生育状況を調査。養殖に適していれば、稚貝の養殖場を一時的に移すことも視野に入れる。

 

〈環境生活農林水産=中瀬古初美委員長(8人)〉
アコヤガイの稚貝を養殖するのに適した漁場の探索は、県水産研究所が1日から始めた。英虞湾でへい死のリスクが高まった場合に備えた取り組み。尾鷲市大曽根の沖で実際に稚貝を飼育しているという。

【アコヤガイ】
稲森稔尚委員(草の根運動いが、2期、伊賀市)は新たな漁場を活用できる見通しを尋ねた。県当局は「現状の漁場ではリスクが高いと判断されるなど、最悪の状況を想定しての調査。中長期的な対策として進めている」と説明した。

また、県当局は4月からモニタリングしている飼育かごで異常はないとする一方で「英虞湾の一部でへい死の兆候がみられる」と説明。6月上旬は英虞湾の海水温が平年より2度ほど高く、プランクトン量は約20分の1で推移していると報告した。

【豚熱】
県当局はCSF(豚熱)の対策として22日から始める春期の経口ワクチン散布について、これまでの北勢6市町に加え、新たに津、伊賀、名張の3市でも実施すると報告。これにより、散布地域は9市町の605カ所となる。

また、県当局は15日に新たに野生イノシシの感染が確認された松阪市でも散布に向けた協議を進めていると説明。石垣智矢委員(自民党県議団、1期、いなべ市・員弁郡)は「感染地域が南下しているのは目に見えている。一刻も早い散布を」と求めた。
〈戦略企画雇用経済=木津直樹委員長(8人)〉
県が新型コロナウイルスの感染防止と経済の両立に向けて策定した「みえモデル」は「大都市の人口集中は感染のリスクを顕在化させた」と指摘したが、委員らは首都機能移転も含めた議論を求めた。

【首都機能移転】
新型コロナに関連し、三谷哲央委員(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡)は「東京がロックダウンすれば機能不全に陥る。みえモデルで首都機能移転の議論はなかったか」と尋ねた。

県当局は「みえモデルの議論ではなかったが、全国知事会の議論では複数の知事が言及していた」とし、鈴木英敬知事が務める地方創生対策本部長としての提言にも盛り込んだと説明した。

三谷委員は「現実問題として難しいとは思うが、中長期的に取り組まなければならないこと。国や地方の議論を県がリードしていってほしい」と要望。県当局は「引き続き議論したい」と返答した。

山本教和委員(自民党、9期、志摩市)も「首都機能移転に向けた本気度はどうなのか。全国知事会は地方分権に賛成だが、首都機能移転については本音で議論していないように思う」と指摘した。

県当局は「感染防止策としてテレワークが大きく進み、リニア中央新幹線の開通も見えている。少なくとも東京の機能が低下したときの代替機能を活発に議論する土壌はできている」と説明した。
〈医療保健子ども福祉病院=倉本崇弘委員長(9人)〉
県当局は、新型コロナウイルス感染者の治療などに当たった医療関係者らを対象とした慰労金について、早ければ7月末から8月初旬にも支給を始める考えを示した。

【慰労金】
県は16日に提出した一般会計補正予算案に、慰労金を支給する事業に約85億8700万円を計上していた。患者に直接対応した県内の医師や看護師、薬剤師らに最大で20万円を支給する予定。約4万7千人への支給を見込む。

今井智広委員(公明党、4期、津市)は、慰労金の支給を始める時期について尋ねた。担当者は「国民健康保険中央会と厚生労働省が各医療機関からの申請を受け付けるシステムを調整しているところ。最短で7月末―8月初旬になる」と返答した。

【条例改正】
県当局は改正の意向を県議会に伝えていた「みえ歯と口腔の健康づくり条例」について、改正を求める点を報告。地域包括ケアシステムの役割や、高齢者と発達障害者に応じた対策などを盛り込むことを検討していると明らかにした。

同条例は平成24年3月に議員提出条例として制定され、県は12日の代表者会議で改正を提案していた。県議会は29日の代表者会議で、条例案の提出主体を決める方針。県が提出する場合は、来年の2月定例月会議で提出する見通し。