三重県議会・一般質問 「タンデム自転車」解禁へ 県警、規則改定を検討

三重県議会6月定例月会議は16日、田中智也(新政みえ、3期、四日市市選出)、津田健児(自民党県議団、5期、同市)、北川裕之(新政みえ、5期、名張市)、舟橋裕幸(新政みえ、7期、津市)の4議員が一般質問した。岡素彦県警本部長は、2人乗りの「タンデム自転車」を県内の公道でも走行を解禁する方向で公安委員会規則の改定を検討する考えを示した。

 

■子どもの権利、表明機会を ― 田中 智也議員(新政みえ)
来年度で施行から10年が経過する子ども条例に対する認識を尋ねた。鈴木知事は、児童虐待の増加などを例に社会情勢が大きく変わっているとし、10年の節目を意識した取り組みを進めると説明した。

【子ども条例】
田中議員 子どもが自らの権利について学んだり、意見を表明したりできる機会を確保すべき。子ども条例の施行から10年を迎えるに当たり、子どもの権利が十分に尊重される地域社会をどのようにつくっていくのか。

鈴木知事 児童虐待や子どもの貧困など、社会情勢が大きく変わり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校でも大きな影響を受けた。子どもが権利を学び、意見を表明する機会は重要。長期的な取り組みに加え、節目を意識した取り組みにも努めたい。

【スポーツ】
田中議員 県内の総合型地域スポーツクラブでは感染に注意しながら活動を再開させている一方、一部では「会員のモチベーションが下がっている」との声も聞かれる。総合型地域スポーツクラブの現状にどう対応するのか。

辻国体・全国障害者スポーツ大会局長 県内には27市町に64のクラブがあるが、感染拡大によって大幅な活動自粛を余儀なくされた。既に大半が再開したが、クラブアドバイザーによる聞き取りや優良事例の紹介、支援制度の情報提供に努めたい。

 

■支援学校に看護師配置を ― 津田 健児議員(自民党県議団)
医療的ケアが必要な児童生徒の学習機会を確保するため、特別支援学校に看護師を計画的に配置するよう提案。県教委は正規の職員としての看護師の任用に向けて、他県の成果や課題を調査する考えを示した。

【医療的ケア児】
津田議員 特別支援学校に籍を置く児童・生徒で医療的ケアが必要な子どもがいる。医療的ケアの必要な児童・生徒にとって看護師の役割は大変大きい。計画的な看護師配置が必要だ。

木平教育長 本年度は特別支援学校9校に計16人の看護師を常勤講師として配置している。医療的ケアが必要な児童生徒数は年々増加し、高度な医療的ケアが必要。看護師を正規の職員として任用している県の成果や課題を調査し、医療的ケアが安定的に実施できる体制を研究する。

【外国人生徒】
津田議員 県立高校の入学選抜で今年の受験状況を見てみると、外国人生徒の特別枠を設けている18校のうち、受験者がいたのは7校。受験者が1人もいなかったのは11校だった。この状況を踏まえて、特別枠入学者選抜制度の方針を教えてほしい。

木平教育長 出入国管理法の改正で創設された在留資格により、外国人の増加が見込まれる。特別枠入学者選抜について、各校の卒業者数や卒業後の進路調査などを検証し、特別枠の人数などについて令和3年度に実施する入学者選抜への反映に向けて検討する。

 

■地方分権の推進要請 ― 北川 裕之議員(新政みえ)
新型コロナの対策は「国の関与が大きい」とし、地方分権の推進を要請。鈴木知事は休業要請などの根拠となる特措法に「隔靴掻痒(そうよう)な部分がある」と指摘し、分権に向けた取り組みを進める考えを示した。

【地方分権】
北川議員 新型コロナの具体的措置に対する国の関与が大きく、地方分権の課題が浮き彫りとなった。多くの知事がモデルを打ち出して競った流れは、地方分権のあるべき姿。この機会に、あらためて地方分権を進めるべき。

知事 地方分権は進んだが、道半ば。新型コロナは国のあり方を見直す一大転機となる。これを追い風に真の地方分権を実現させたい。対策の特措法は隔靴掻痒な部分もあり、検疫法は知事に関する記述が一度しか出てこないのも課題。自覚を持って取り組む。

【タンデム自転車】
北川議員 観光の誘客や視覚障害者への配慮などを目的に、タンデム自転車を公道で走行できるようにする自治体が全国的に相次いでいる。一方、中部や北陸では、あまり進んでいない状況。県内でも公道走行を解禁すべき。

岡県警本部長 タンデム自転車は家族や友人が同じペースで走行できる良い乗り物。他県の状況や安全性について調査を進めた上で規則改正のあり方を考え、早期に結論を出したい。新型コロナの影響で要望が強ければ、夏休みまでに改正できるよう努力したい。

 

■三重国体への対応は ― 舟橋 裕幸議員(新政みえ)
鹿児島県が今秋の国体開催を断念し、1年程度延期を要望していることから、来年に三重とこわか国体・とこわか大会の開催を予定する県の対応を尋ねた。知事は「延期や会期の変更にならないよう全力を尽くす」と述べた。

【三重とこわか国体】
舟橋議員 鹿児島国体は中止なのか延期なのか一向に分からない。仮定の話になるが、国体の1年延期は知事が単独で決められるものではない。どのように了解を取り付けるのか。

知事 1年延期となれば、追加的な財政負担、会期の再調整、会場地の確保、競技力向上の取り組み変更など、関係者に多大な労苦を余分にかける。予定通りの開催に向けて準備を進めている。仮に延期などそういった状況が生じた場合は、議会や実行委員会、関係市町などに説明した上であらためて県の考えを示す。

【主要農作物種子条例】
舟橋議員 種子法の廃止に伴い、県主要農作物種子条例の検討を進めていた。県で条例を制定するならば三重県色を出せないものか。対象種子の拡大は検討したのか。

前田農林水産部長 県内で多く栽培されているトマトやキャベツなどは、民間事業者が優良品種の種子を安定的に供給している。伝統野菜やソバ、ゴマなどの特産物もJAなどで供給体制が整備されている。野菜などは対象に加えず、コメや麦、大豆の種子を県が責任を持って供給する。

 

<記者席 ― 一線を画す存在感>
○…かねてから「記者席」で紹介したかったのが、昨年9月に着任した岡県警本部長。少なくとも県議会の答弁を聞く限り、これまでの本部長とは一線を画す存在感だ。

○…この日はタンデム自転車の解禁に向けた考えを表明。「新型コロナで観光地の要望が多ければ夏休みまでに見直す」と踏み込むと、議場から「おお」とうなり声が。

○…投げ掛けられた課題に率直な感想を述べ、的確な対策を示す。何より要点を押さえた短めの答弁は明瞭だ。当たり前のことかもしれないが、吉田山の皆さんも参考に。

○…舟橋議員は「質問項目のうち2つが伊勢新聞のコラムで既に取り上げられてしまった」と紹介した上で「お株を奪われたなと感じるが、めげずに頑張る」と臨んだ。

○…2つの部長職に国家公務員を充てた知事に「地方分権を頑張るという答弁と相反する」と批判。雇用経済部長はいまだ着任しない中、お株を奪われた職員たちの心境やいかに。