「危険運転でなければ何なのか」 津の5人死傷事故 遺族、判決に憤り 三重

【事故で亡くなった大西朗さんの遺影を抱き、判決への怒りと悲しみを語る婚約者の牛場さん=津市で】

三重県津市の国道23号で乗用車とタクシーが衝突し、乗客ら4人が死亡、一人が重傷を負った事故の裁判員裁判で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた元会社社長末廣雅洋被告(58)に言い渡された判決は、より量刑が軽い過失運転致死傷罪だった。事故で婚約者の大西朗さん=当時(31)=を亡くした牛場里奈さん(34)は報道陣の取材に「時速146キロの運転が危険運転でなければ何なのか。裁判所に教えてほしい。ただのスピード超過だなんておかしい」と涙ながらに語り、危険運転致死傷罪を認定しなかった裁判所に怒りと悲しみをあらわにした。

柴田誠裁判長が法廷で判決文を読み上げると、次第に涙をこらえきれなくなった牛場さん。大西さんの母・まゆみさんに支えられ、法廷を後にした。報道陣の取材に応じた際も涙は収まらず「15年でも短いのに7年なんて少なすぎる。私はもう二度と朗に会えないのに」と声を震わせながら言葉を絞り出した。

まゆみさんは「(求刑の)懲役15年を1年でも下回れば許せない、できれば20年にしてほしいと考えていたので判決は信じられなかった。常識外れの判決」と批判。柴田裁判長が懲役7年を言い渡した際、思わず他の遺族と顔を見合わせたという。「遺族としてはありえない判決」と強調した。

「街中で包丁を振り回し、人が死んでしまったら過失なのか」とまゆみさん。牛場さんは「どうして車の話になると、日本の法律はこんなにも緩くなるのか。危険運転致死傷罪という罪を作った意味がない」と非難した。牛場さんは判決で危険運転ではないと聞いたとき「じゃあ何なのか」と叫びたくなったという。まゆみさんは「全く納得いかないので今後も闘います」と明言した。