三重県議会・一般質問 音響信号機4割が20時停止 稼働時間の延長検討へ

三重県議会6月定例月会議は12日、中川正美(自民党、10期、伊勢市選出)、下野幸助(新政みえ、3期、鈴鹿市)、小林貴虎(自民党県議団、1期、津市)、谷川孝栄(草莽、3期、熊野市・南牟婁郡)の4議員が一般質問した。県警本部は信号機に設けている視覚障害者向けの音響装置について、近隣への配慮などを目的に制限している運用時間を全県的に見直す考えを示した。約4割の音響装置を午後8時までに停止しているといい、岡素彦本部長は「いかにも早い」と指摘した。中川議員の質問に答えた。

 

■新部長に使命尋ねる 中川正美議員(自民党)
国からの派遣としては16年ぶりとなる県土整備部長に就任した水野宏治氏に対して「何かしらの必要性があってのこと」とし、使命を尋ねた。水野部長は災害の多発化を受けた社会資本整備の見直しなどを進める決意を示した。

【派遣】
中川議員 県土整備部では平成16年度から昨年度まで生え抜きの職員が部長を務めてきたが、4月に国交省から派遣された水野氏が着任した。これは何かしらの必要性があってのことだと思う。県土整備部長としての使命は。

水野県土整備部長 災害の頻発化や高齢化を受けて国が見直す社会資本整備について、県の発展に資するよう連携や調整に努める。県管理区間ではAIカメラなどのデジタル技術を活用した常時観測体制の整備には未着手。10年先を見据えて取り組む。

【音響式信号機】
中川議員 平成30年12月に都内で視覚障害者が死亡した交通事故の現場には音響式信号機があったが、当時は近隣住民の要望で音が停止されていた。24時間稼働が理想だが、少なくとも利用状況に配慮すべき。県内の対応は。

岡県警本部長 県内には301カ所に音響式信号機があるが、午後8時までに約4割、午後10時までに約9割が音を止める。「夜8時は、いかにも早い」と見る向きもあるだろうし、私もそう感じる。質問を良い機会と捉え、極力延長の方向で全県的に見直す。

 

■移住者支援の実績は 下野 幸助議員(新政みえ)
移住希望者と県内企業を結ぶマッチングサイトや、移住者に支援金を給付する事業の実績を尋ねた。県当局は昨年10月の開設以来、サイトを利用して5人が県内企業に就職したものの、対象要件を満たさなかったため、移住支援事業を活用していないと説明した。

【移住支援】
下野議員 県は「みえの仕事マッチングサイト」を開設した。マッチングサイトを使って県内に移住した場合、支援金を給付している。現在の利用状況は。

廣田副知事 マッチングサイトを活用して就職した5人は対象要件を満たさず、事業の活用に至っていない。事業を42道府県で実施しているものの、昨年度の支給実績が全国で50件に満たない状況であることから、全国知事会が制度の周知とともに運用の弾力化を国に提言した。

【分散避難】
下野議員 新型コロナウイルスの感染拡大が危惧される中、災害が発生した場合、3密を避けるため、避難所のスペースが通常の2―3倍は必要になる。分散避難のための市町との連携を聞きたい。

日沖防災対策部長 1カ所当たりの避難所の収容人数が減少することから、市町から旅館・ホテルなどを避難所として活用したいと要望があった。県旅館ホテル生活衛生同業組合の協力を得て、組合員名簿を市町に提供した。いくつかの市町が、旅館・ホテルとの協議を進めている。

 

■観光業の対策周知を 小林貴虎議員(自民党県議団)
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて対策に努める観光施設の安全性をアピールするよう要望。観光局は、観光事業者の先進的な対策を県観光連盟のインターネットサイトで周知する考えを示した。

【医療支援】
小林議員 県は新型コロナウイルスの最前線で闘う医療従事者にクオカードを給付すると発表した。医療従事者は家族の感染を防ぐために帰宅しなかった人もいると聞いている。県内では医療従事者への支援をしていくのか。

加太医療保健部長 医療関係者への支援はさまざまな方法が考えられるが、県から直接に感謝の気持ちを伝えることができること、医療機関への負担が小さいこと、県内経済に寄与する可能性があることを考え、クオカードを支給することとした。

【観光振興】
小林議員 観光事業者はガイドラインに基づいて感染防止対策を実践していると思うが、優良事業所を認定するような制度を作ってはどうか。また、感染防止対策に取り組んでいる事業者をインターネットなどで発信すべき。

河口観光局長 観光事業者に自社のホームページで対策を公表するよう促し、施設の入り口などに掲示するシンボルマークも提供している。さらには対策の先進事例を県観光連盟の公式サイトで紹介するなど、安心できる三重を発信して観光誘客につなげたい。

 

■マダイ消費回復策は 谷川 孝栄議員(草莽)
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛などの影響で、養殖マダイの需要が減退していると指摘し、県の対策を尋ねた。県当局は学校給食で提供することで、県内の在庫約25万匹のうち12万匹を出荷する効果を見込んでいると説明した。

【養殖マダイ】
谷川議員 養殖マダイの需要がなくなり、関西や関東に出荷ができなくなった。スーパーなどでの販売促進を進めているが、まだ残っている。養殖マダイについて、どのような対策を考えているのか。

前田農林水産部長 販路拡大のため、県産農林水産物の販売サイトを立ち上げ、業者がECサイトを構築するのを支援している。学校給食への提供に向けて、市町の学校給食関係者などから要望を聞き取っている。福祉施設に給食を提供している事業者との連携などを含め、生産者を支援する。

【誹謗中傷】
谷川議員 テラスハウスに出演中だった木村花さんがインターネット上で誹謗(ひぼう)中傷された後に亡くなった。匿名で他人を誹謗中傷するのは許しがたい。人権侵害について対応をどう考えているか。

岡村環境生活部長 インターネット上の差別や誹謗中傷が命に関わる問題であると認識し、人権教育・啓発が重要であると考える。学校現場でインターネットのモラルなど人権教育の推進に取り組む。差別を自分事としてとらえられるような啓発など工夫したい。

 

<記者席 ― アベノマスクに感謝>
○…「アベノマスク」を着用した小林議員。ツイッターで「大事にします」と発言していただけに、どこかで取り上げるかと思いきや、全く触れずに持ち時間が終了した。

○…ところが、持ち時間を過ぎても発言を続け、最後に「このマスク、たくさんの手が掛かっている。感謝して着用したい」と一言。やはり、これだけは譲れなかったようだ。
○…下野議員は旅先で仕事をする「ワーケーション」の推進を提案。「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語と紹介した。

○…この後に登壇した谷川議員は「先ほど奥野議員にバケーションのつづりを教わった」と明かした。ニューノーマル(新常態)に続く新たな横文字に頭を抱える議員も増えそうだ。