アコヤガイ稚貝へい死 今年も海水温上昇 英虞湾の一部で確認 三重

【へい死が確認されたアコヤガイの稚貝(県水産研究所提供)】

【志摩】三重県志摩市の英虞湾の一部地域でアコヤガイの稚貝のへい死が確認されていることが11日、県水産振興課などへの取材で分かった。同地域では昨年もアコヤガイの大量死が発生しており、県は真珠養殖業者に注意を呼び掛けている。

県水産振興課によると今月上旬ごろから、神明地区など英虞湾周辺の複数の養殖業者からへい死に関する報告が寄せられるようになり、連絡を受けた県水産研究所の研究員が現地に赴き、1年未満の稚貝のへい死を確認した。現状、2年貝や3年貝の被害は確認されていないという。

同海域では昨年7月中旬にかけて、稚貝を中心にアコヤガイの大量死が発生。黒潮大蛇行に伴う海水温の上昇やエサとなるプランクトンの減少などが原因に関連すると指摘されてきた。

同水産研究所によると、今年も同海域の平均海水温の上昇を確認しており、特に5月下旬―6月上旬に好天が続いたことで、一時的に海水温が急上昇した可能性が考えられるという。

県はホームページ上で海水温やプランクトンの量など海域の状況を公開すると共に、無料配信アプリ「LINE」を活用して業者に直接、貝にストレスを与えるような行為を避けたり、海水温上昇の影響を受けにくい深い水域を活用するなど注意を呼び掛けている。

県水産振興課養殖振興班の渥美貴史さん(42)は「昨年との因果関係を含めて原因を究明していく」とし、「今すぐに大量死につながるとは考えていないが、予断を許さない状況として危機感を持って対応している。業者と連絡を密にとり、少しでも不安を解消していきたい」と話した。