松阪 本居宣長記念館で夏の企画 筆跡に焦点合わせた展示 三重

【本居宣長が書いた扁額=松阪市殿町の本居宣長記念館で】

【松阪】三重県松阪市の本居宣長記念館は9日、同市殿町の同館展示室で夏の企画展「水茎の跡」を始めた。「水茎の跡」は筆で書いた文字を意味し、宣長の筆跡に焦点を合わせた。会期は9月6日まで。

宣長の家族や門人の筆跡と合わせ国重要文化財43種を含む81種88点を展示する。

宣長は随筆「玉勝間」で「拙い字を書くとそれだけで歌や学問までうさんくさく見えてしまう」「私が字が下手で、いつも筆を取るたび、大変悔しい」と書いている。

展示では主著「古事記伝」の楷書について「見学者が『印刷か』と見誤るほど」と説明。15歳の時、お寺で赤穂浪士討ち入りの話を聴き、家で記憶を元に細かい字でつづった全長362センチの巻物があり、「記憶力と、書かれたアリの行列のような文字に大人たちは目をむきました」という。

一方、京都の俳人の求めで書いた扁額「一無庵」は「ちょっとゆがんでいるようにも見える」として、「『字には自信がないなぁ』と宣長は言いますが、それは手紙やノート、原稿の筆跡というより、この『一無庵』のような大きな字のことだったのかもしれません」と解説している。

入館料は大人400円、大学生300円、小人200円、小学3年以下無料。