中小企業融資、874億円に 従来の10倍以上 三重県議会・議案質疑

【新型コロナウイルスの感染拡大に伴う融資の実績を報告する廣田副知事=県議会議事堂で】

三重県議会6月定例月会議は8日、提出議案への質疑があり、川口円(新政みえ、1期、津市選出)、山本里香(共産党、2期、四日市市)、稲森稔尚(草の根運動いが、2期、伊賀市)の3議員が質問に立った。県当局は、新型コロナウイルスの影響を受けた中小事業者への融資決定分が5日までに874億円に上ったと報告した。稲森議員の質問に対し、廣田恵子副知事が明らかにした。

県は中小事業者の資金繰りを支援する融資制度を従来から設けているが、ここ数年の融資額は年間70―80億円程度で推移していた。新型コロナ関連の融資は、既に従来の10倍以上に上っている。

県は6月定例月会議に提出中の一般会計補正予算案に、融資に伴う保証料の負担分として、新たに約4800万円を計上した。これにより、融資枠は150億円増の2512億円となる見込み。

稲森議員は全国的に経営破綻が相次いでいるとした上で「事業者の体力は限界に近づいている」と指摘。「引き続き経営状況や雇用の実態を分析し、大胆な対策を立てていってほしい」と要望した。

川口議員も提出中の一般会計補正予算案に計上された新型コロナの緊急対策費について質問。感染拡大で需要が落ち込んだ県産食材を学校給食に提供する事業について、品目や供給量などを尋ねた。

前田茂樹農林水産部長は県産牛肉が45トン、熊野地鶏が15トン、マダイやマグロなどの水産物が149トンに上るとの見通しを示した上で、給食への提供に向けた準備を進めていると報告した。

川口議員は「まだまだ給食に提供する品目は少ないと思う。これ以外の品目でも、困っている生産者はいる」などと指摘した上で「もう少し視野を広げ、多くの人を助けてほしい」と要望した。

山本議員は、県が主要農作物種子法の廃止などを受けて提出中の主要農作物種子条例案を「まずは歓迎する」と評価し、条例案に盛り込まれた「種子開発の民間との連携」に対する考え方を尋ねた。

前田部長は「農業の競争力を強化するためには、多様なニーズに対応できる種子の開発が必要」と説明した上で、これまでも民間と協力して複数の県産ブランド米などを開発してきた例を紹介した。

山本議員は「民間との連携で効果を挙げたことは理解している」としつつも「農業のグローバル化や外資系企業の参入を心配している」とし、種子の安定提供を維持するための主体的な対応を求めた。