津の5人死傷事故 被告に懲役15年求刑 判決は16日 三重

三重県津市の国道23号で平成30年12月末、乗用車とタクシーが衝突し、乗客ら4人が死亡、1人が重傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた同市白山町、元会社社長末廣雅洋被告(57)の裁判員裁判の論告求刑公判が4日、津地裁(柴田誠裁判長)であり、検察側は危険運転致死傷罪の中でも被害結果が重いとし、懲役15年を求刑した。

検察側は同罪が認定されない場合に備え、予備的訴因として同法違反(過失運転致死傷)の罪を追加している。過失運転致死傷罪では、法定刑の上限である懲役7年を求刑した。

一方、弁護側は危険運転致死傷罪は成立せず、過失運転致死傷罪にとどまると主張。酌量減軽を適用し、懲役3年6月の判決を求めた上、「できれば執行猶予5年の寛大な判決を望みたい」と述べた。判決は16日。

論告で検察側は、タクシーを避けようとしたが、高速度で走行していたため自車をコントロールできず、タクシーの側面に突っ込んだと指摘した。さらに、過去には今回と同じ中央分離帯の開口部付近の事故を経験している点を強調。開口部に向かって道路脇の施設や脇道から車両が出てくることや、自車が高速度で走れば横断中の車両と事故になる可能性を認識していたと主張した。

弁護側は最終弁論で「車線を逸脱することなく走行している。タクシーを避けようとしており(乗用車の)進行を制御できていた」と述べ、事故は双方の過失によって起きたと強調。一方「起こした結果は重い」とし、基本的に実刑判決は避けられない考えを示した。

起訴状によると、末廣被告は平成30年12月29日夜、同市本町の国道23号で、時速約146キロで乗用車を走らせ、国道脇の飲食店駐車場を出て中央分離帯の開口部を右折しようとしたタクシーの側面に衝突。運転手の野村達城さん=当時(44)=、いずれも乗客の永田誠紀さん=同(58)=、横井大和さん=同(37)、大西朗さん=同(31)=の4人を死亡させ、萩野将志さん(30)に重傷を負わせたとされる。