三重大や京大 アルツハイマー病の治験開始 パーキンソン治療薬を投与

京都大や三重大などの研究チームは4日、パーキンソン病の治療薬を遺伝性のアルツハイマー病患者に投与する治験を実施すると発表した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った実験で病因物質を減らす効果が確認されたため、安全性と有効性を評価する。iPS細胞を使った研究を基にアルツハイマー病の治験を実施するのは世界で初めてという。治験は5日から開始する。

研究チームによると、アルツハイマー病は進行性の疾患で、認知症の原因の半数以上を占める。対症薬は4剤あるが、根本的な治療は難しい。遺伝性と、遺伝とは関係ない孤発性がある。遺伝性は平均発症年齢が40代で、孤発性よりも比較的若い。

治験は三重大付属病院など7機関で実施。対象は軽度から中程度の症状がある患者10人。2つのグループに分け、パーキンソン病などの治療薬として使われている「ブロモクリプチン」と薬効のない錠剤をそれぞれ36週間にわたって飲んでもらう。

京大iPS細胞研究所が平成29年に、患者のiPS細胞からつくった神経細胞にブロモクリプチンを与えると、アルツハイマー病の原因となるタンパク質「アミロイドβ(ベータ)」の生成量を半分に減らすと発見。この発見が今回の治験につながった。

治験で調整医師を務める三重大付属病院の冨本秀和教授は「アルツハイマー病の進行を抑制する根本治療薬で、まだ承認されたものはない。数千人いると推定される遺伝性のアルツハイマー病患者さんの症状を緩和させることにつなげたい」としている。