三重県議会 条例検討かコロナ人権か 差別解消特別委、平行線

【調査の進め方を巡って議論する特別委=三重県議会議事堂で】

三重県議会の差別解消を目指す条例検討調査特別委(北川裕之委員長、11人)は1日、調査の方向性を巡って議論した。新たな条例の制定に向けた検討を重視するか、新型コロナウイルスに関する人権侵害の問題を優先させるかで、委員らの意見は平行線。北川委員長は新型コロナの問題を扱ってから条例の検討に移る「2段階の調査」を提案し、委員らの理解を得た。

特別委は、最大会派の新政みえ(21人)が設置を求め、代表者会議が5月13日に設置を決定。調査事項は「さまざまな差別の解消に向け、新たな条例制定も視野に調査する」と定めた。

1日の会合では、北川委員長が県の人権施策や各都道府県の条例に対する調査などを経て、来年6月に条例案をとりまとめる活動計画案を提示。月に1回のペースで会合を開く考えを示した。

新政みえや共産党などの委員は、北川委員長の案に賛同。小島智子委員(新政みえ、3期、桑名市・桑名郡選出)は「どのように施策が進んでいるか把握すべき。差別の実態調査も欠かせない」と述べた。

これに対し、自民系会派の委員らは、新型コロナを巡る問題に特化して調査するよう要望。小林貴虎委員(自民党県議団、1期、津市)は「できるだけ早く考えをまとめ、行動を起こすべき」と訴えた。

その後も「コロナに限定せず、さまざまな差別について調査すべき」「短期的に全てを網羅するのは難しく、コロナの問題を重点的に調査すべき」などと、委員らの主張は平行線をたどった。

「感染防止」を目的とした休憩を挟んだ後、北川委員長は「第1段階としてコロナに特化して議論し、第2段階として条例のあるべき姿を調査する。これでお願いできないか」と提案。委員らの理解を得た。

また、鈴木英敬知事が制定を目指す感染症対策条例(仮称)も感染症に関する差別や偏見の解消に向けた方針が盛り込まれる見通しとなっていることから、北川委員長は調査対象とする考えを示した。

この特別委を巡っては、新政みえが設置を提案した当初から新たな条例の制定を目指す一方、自民党県議団(15人)からは「既存の条例があることを踏まえて議論すべき」との指摘も上がっていた。

1日の特別委では「県議も差別的な事象やヘイトを起こしている」と、他会派の議員を批判する委員も。ある議員は取材に「議員定数の特別委と同じく、議員同士の駆け引きの舞台になりそうだ」と語った。